カンボジア&タイ
2008年 9月

一日目 二日目 三日目 四日目 五日目
六日目 七日目 八日目

朝、7時半に起きて朝食を取りに外へ。遺跡巡りには欠かせない水(?)を買うつもりなので朝食も一緒に取ってしまおうと思い、例によって『スターマート』へ。

イートインコーナーでパン2つとオレンジジュースを頼んだ(3$)。氷はあまり口に入れないほうが良いとの情報は仕入れいていた。

・・・えーと、目の前で店員さんが大量の氷をミキサーにかけてるんですけど(汗)

案の定、出てきたのはオレンジジュースならぬオレンジシャーベーットorzパンも甘い物と惣菜の物を注文したつもりだったが、外見に騙されて両方とも激甘の菓子パンだった(笑)

ふふふふふ・・・なかなか幸先の良いスタートじゃないか。

国道6号沿いにある近くのレンタルサイクルショップで、20時までに返してくれればいいと言われた1日1$の自転車をレンタル。保障としてパスポートを預けるものだと思っていたけど、杞憂に終わった。

カゴに『迷い方』と水!カバンは前掛け!チケット持った!片手にテイクアウトしたオレンジシャーベット・・・いやいや、オレンジジュース!よっし、万全だ!『アンコール・トム』方面へゴー。

この日は昨日見れなかった『アンコール・トム』周辺の遺跡群が目的。時折『迷い方』の地図を見ながら進む・・・といってもほぼ1本道だけど。

バイタクとは違って、これはこれで爽快な気分になる。異国で自転車という非日常なこともあり少し浮ついた気分(笑)

そろそろオレンジシャーベーットオレンジジュースを捨てたいと思い、チケットチェックのお姉さんに「ゴミ箱はある?」と聞くと無いと言われ、気が付いたら目の前には『アンコール・ワット』。あー、あれか、オレはこのまま片手にオレンジジュースという状態で観光しなければならないんだな?

<アンコール・ワット>

と諦めかけていたら、道沿いにゴミ箱発見。さようなら、オレンジジュース

ついに片手運転から解放されたからなのか、テンションはさらに高くなった(笑)ということで、『アンコール・トム』方面へ。

まっすぅぅぅぅぅぅぅぐな道をひたすら進む。ホント、自転車にして良かったって思うくらい気持ちがいい。

途中、観光用の象や野生の猿にも出会う。野放しの馬や牛にも会うしね。なんでもありだな、ここ。

自転車を漕いでいると、子供や女性から笑顔で「ハロー!」と声をかけられ、手も振られる。

バイタクではありえなかったなあ、こういうの。もちろん、こちらからも手を振りながら「ハロー!」と答える。ちょっとしたことではあるけど、心地良い気分になる。日本じゃまずあり得ない現象だな、これは。なんだろ、肩ひじ張らない環境と言うか、楽な気持ちにさせてくれるのは確か。

『南大門』を抜け、『バイヨン』の入口からまっすぐ伸びた道を発見したので、『迷い方』を見ると『死者の門』というのがあると判ったので、早速行ってみる。

ガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタ・・・。

オンボロ自転車が壊れるんじゃないかと不安になるくらい、すんごい悪路なんですけどorz

画像では判りにくいけど、拳くらいの石がゴロゴロあるので思うように進めない。雨で道がぬかってるし(汗)しかも漕げども漕げども先が見えない見えない。出だしから失敗しちゃったか?と不安になるくらい見えない。

引き返そうにも振り返ると後ろも先が見えないくらい進んでしまっているので、腹を決めて前方へ進む。・・・・・・・で、漸くご到着。

周りには誰も居らず森の中にひっそりとそれはあった。


<死者の門>

『アンコール・トム』『南大門』『北大門』『西大門』『死者の門』『勝利の門』の5つの城門で外部と繋がっていて、今回の旅行で『西大門』以外を見たけど、この『死者の門』が一番良かった。

ガタガタ道を戻ると人がいる(当たり前だけど)。なんかホッとした(笑)

今度は『像のテラス』から東に伸びる道をひたすら進む、ひたすら・・・。

到着した『勝利の門』『南大門』ほどではないし、まだ午前中ということもあるためか人の行き来は僅か。


<勝利の門>

『勝利の門』は戦争に勝利した時にこの門を通り凱旋し、『死者の門』は戦死した者の魂がこの門を通るといわれている。

次は昨日のスコールのため見る気が失せた『ライ王のテラス』。そう、昨日、ライ王像が身に纏っている何重にも巻かれた法衣(袈裟?)が一枚一枚、飛び去っていった、あの場所だ。ライ王像があるテラス上部には行ったので、下に行く。

テラスを分断するように道があり、ギリギリ人がすれ違えるくらいの幅。両側の壁にはデヴァターのレリーフがぎっしり。

<ライ王のテラス>

奥に進むと左壁の下のほうにナーガがある。これはキレイに残っているほうじゃないだろうか?つーか、地面は雨の名残かグチョグチョで歩くのが困難(汗)


<デヴァターとナーガ>

さらに奥へ進もうとすると・・・お?更に形を保っていそうなナーガを発見。が、これ以上は無理だよといわんばかりに水溜りになっていて先に進むことを断念orz

『ライ王のテラス』を出ると昨日のスコールの時にお世話になった木。すげー駐車してるんですけど。

いよいよ周辺の遺跡へ行くために、『北大門』から『アンコール・トム』を抜け出すことにする。

うん、今日のワタクシ的コースは始まったばかりで行き当たりばったりの見学になっているが、今のところは順調・・・かな?で、漸く見えてきた『北大門』


<北大門>

どうしたことか、この辺りになると人がグンと減る。回る順番でもあるのだろうか。と、思っていると徒歩で遺跡巡りをしているっぽい欧米人2人組みを発見。あ、歩き!?どこまで回ることやら・・・。

道なりに進んでいくと右手に遺跡発見。“聖なる剣”という意味を持つ『プリア・カン』はけっこう規模がでかい。で、自転車をどこに止めようか逡巡したのは僅かのこと。ここでもチケットをチェックする人はいるので、とりあえず見えないような位置に止めて鍵をかけておく・・・つーかチャリンコはオレだけですか(笑)?ちなみにここいら一帯、遺跡へのチケットは昨日購入した3日券でことが足りる。

自分のように『北大門』から道なりに来て、『プリア・カン』を見学するには『西参道』からが一番近い。ただ、正面入口は東側だったということを後で知ったorz

『西参道』入り口辺りは灯篭のような物が両サイドに並び、『西塔門』ももう間近というところで今度は『南大門』などでも見たナーガの欄干が続く。

<西参道&西塔門>

この時、欧米人のツアー客がいたので少し付いて行ってみようか、と思った矢先に『西塔門』を左に曲がり何処かへ消えてしまったので止めといた。でもそのツアーのおかげで『西塔門』脇に巨大なガルーダのレリーフがあることが判ったので、良しとするか(笑)

『西門』に来ると人が多くなってくる。ちなみにこの時、既に汗だく状態orz帽子は被るより扇ぐ役割となっていた。

<西門>

崩れてしまっている遺跡の中にも、まだまだしっかりとした形を留めているレリーフがそこかしこに残されている。思わず見入ってしまうなあ、こういうのは。

あっちこっちに目をやりながら『中央祠堂』を目指す。うーん、それにしても見事な遠近法だ。壁や天井によって視野が狭くなるから、余計にそう感じてしまうのかも。こういった造りはよく目にした。

少し行くと3つのリンガが収められていたリンガ台に出くわす。この台は珍しいんだとか。もしかしてかなり貴重なものを目にしているのか、オレは?しかもそれに触ることができるなんて・・・。あ、ちなみに画像に写っている人は見知らぬ人で、ワタクシではありません(笑)


<左:リンガ台 右:リンガ>

少し開けたところに出ると妙なものを目にした。左側の壁には仏陀がキレイに嵌め込まれており、反対に右側の壁は仏陀が剥ぎ取られているorz

到着した『中央祠堂』には『ストゥーパ』(仏塔)がある。ここも線香が絶えない。・・・って、しまったー!これ裏側じゃんorz

<中央祠堂:ストゥーパ>

左画像の柱には見事な装飾が施されている。見るところが沢山あるなあ・・・。微妙に色付いているのは、元々そういう石だから?それとも『アンコール・ワット』のように当時の色が残った状態なのだろうか。右画像の赤みを帯びた柱は当時の色が残っているらしく、貴重だとか。と、近くにいた日本人夫婦のガイドを務めていた人が言っていたのを小耳に挟んだ。

その直ぐ近くには遺跡を飲み込もうとしているようにも見える木。遺跡から生えたんじゃないかと錯覚してしまう。恐ろしいまでの生命力だ。

見上げると13人が踊る“アプサラ”のキレイなレリーフ発見。うーん、躍動感が滲み出ている。で、「あ、今夜“アプサラ・ダンス・ショー”(以下“アプサラ・ダンス”)を見ないと日程的にダメなんじゃ・・・」ということをふと思い出させてくれた(笑)

<アプサラ>

“アプサラ”のレリーフを過ぎると、『踊り子のテラス』へ出る、それを左へ向くとギリシャ神殿を彷彿させる2階建ての建造物で1階は円柱、2階は角柱となっている。何の目的があって造られたのかは不明だけど、こういった形の建造物は珍しいらしい。これまた貴重なものを拝見しました。

道が反れたので元に戻り、真の入り口(?)・『東正面大門』を出てさらに『東塔門』を出て『東参道』を歩き始めると、待ってましたと言わんばかりにワラワラと出てきた5〜6人の物売りの子供達に囲まれた(汗)ちなみに子供といっても、まだ小学生低学年くらい。モヤモヤした気分になってしまう。いつものやり取りで流していたら・・・水溜りにはまってた。「大丈夫?」と声を掛けるとニコニコしながら「ワンダラーワンダラー」の連呼。た、逞し過ぎるぜお前ら・・・。

『東参道』入り口になると『東塔門』付近へと引き返して行った。多分、帰ると思われているんだろうなあ。むしろまた『東塔門』へ行くんだけどね(笑)

灯篭らしきものが途切れた辺りに居るのがその子供たち・・・の内の数人。

<東参道>

今度は気分を改めて正面から入ることに・・・単にUターンするだけなんだけど。

先ほど断ったばかりなのに、また寄って来る童たち!結局、何も買わなかったけどね。

『西塔門』脇にガルーダのレリーフがあったように、こちらの『東塔門』脇にもある。つーか、こっちの方がしっかりと形が残っているんだが?

<ガルーダ>

『東塔門』を潜ると子供たちは寄ってこなくなる、というより潜ってこない。遺跡内に入ることは暗黙で禁止されているのかな。

ちなみに造りは西も東もほぼ一緒だけど、それでも正面というだけあって東のほうが豪華な造りになってるのは確か。

<東正面大門&テラス>

壁一面に施された『偽窓』が残っている。遺跡自体はかなり損傷しているように見られるけど、残っているところはしっかりと残っている。

<偽窓>

先ほどは真ん中を通ったので、『踊り子のテラス』から右へ反れて2階建ての建物からもう少し北側に行くと池だったらしいところに出る。水が張っているときを見てみたいと思うくらいの大きさ。

<池の跡>

あちらこちらで崩れた遺跡を横目にして壁沿いに西へ進み、途中で右に折れると『北門』に出る。・・・人、いねー。何だろうね、急に閑散とした空間に出くわすのは(笑)

<北門>

回廊内は迷宮の如くややこしい造りになっていて、ちょっと間違えば方向を失いそう。で、軽く方向を失いながらも何とか自転車の所に戻ると・・・いやー、びびった。蟻の列が凄いんですけど?数が半端ないんで列が太く見える(汗)しかも昨日、オレの足を2回も噛んできた蟻にそっくりなんですが!?気味悪さを覚えながら一直線のなだらかな道を進み、“絡み合う蛇(ナーガ)”の意味を持つ『ニャック・ポアン』を目指す。

思った以上に漕いでいると、バスやら人やらが急に多くなっているのが目に入ったので、すぐにそこと判った。またもや自転車はチケットチェックから少し離れた場所に止める。

進行方向、右に『ニャック・ポアン』があるけど、物売りは左側に大勢いた。で、当然のように声をかけてきたが無視して『ニャック・ポアン』へ続く参道らしき道を歩いていると、野良が1匹。オレの先頭を歩き、離れると立ち止まって振り向いたりしている。「・・・ん?餌はないぞ。っていうか案内してくれるのか?」もちろんそんな言葉は届かない。

<野良犬>

何度か止まっては振り向きの繰り返しをしているうちに『ニャック・ポアン』入口に到着。何をしてくる訳でもなく、入り口にさしかかると野良は木々の向こうへ消えた。不思議なことに襲ってくるんじゃないかとかの怖さはなかったなあ。むしろ、なかなか可愛らしいじゃないか!と思ったくらい(笑)

『ニャック・ポアン』は中央に大きな池があり、それを囲むように東西南北に比較的小さい池がある。その小さい池が下画像。雨期でさえ水が張っていない状態。

<小池>

上画像の中央にぽっかりと祠らしきものがある。その祠に行くと、象の頭があり、やはり線香がある。ついでにおばさんも。こうなってくるとパターンは「ワンダラーワン(ry」となるのでまたもやお金はないと先手を打つ(案の定言ってきたけど)!それでも写真くらいはと思い撮ろうとすると、おばさんが気を遣って祠から出ようとしたので「出なくていいですよ」と言うと、ポーズを決めてきた!なんつーか、参りました。

<象の頭>

ついでにそれぞれの『小池』の祠には象の他にライオンがある。

『中央池』へ足を延ばす。『中央祠堂』へ渡る道の先には“ヴァラーハ”があり、これは観世音菩薩の化身であり、らしい。馬と言われれば馬だと判るけど・・・微妙〜。


<左:中央祠堂&中央池 右:ヴァラーハ>

でもって『中央祠堂』の下の円形基壇の両端のひょっこり出ているのがナーガ。これが『中央祠堂』を取り巻いていて裏で2つの尾が絡むように繋がっている

『中央祠堂』にも精巧な装飾。やべー、段々見慣れてきてしまったよ(汗)

<中央祠堂>

『中央祠堂』から『小池』を見るとこんな感じ。何故だか解らないけど、『小池』の奥にある森から観光客出現・・・どこ行ってたんだか。

<小池>

それにしてもバッタが多い!どこから湧いて出てきたんだ、君たち。

参道へ戻るとさっきの野良が・・・いない。ちょっと残念。

『迷い方』を見ると道を挟んだ近くに『クオル・コー』という遺跡があるので行ってみることに。・・・あー、あの物売りの集団を突破しなければならないんだな。よしよし。やってやりましょう。と、意味不明の意気込みで突貫。

寄ってきた子供やおねーちゃんを適当にあしらっていると、一人の女の子が「クオル・コー?こっち」と言ってきたので付いていく。地図見ても近くにあることだけは分かるんだけど、どうにも辿り着けなく、ホトホト困っていたから、まさに天使だよ君は!と内心喜んだのも束の間、道なき道を進もうとするし、番犬だか野良だか知らないけど、めちゃくちゃ吠えてくるし、喜びが一転不安に。「この道を真っすぐ行けば着く」と言うのだが・・・道?どこに?3回くらい確認しても同じ答えで、いつの間にか近くにいた青年も同じ答え。何とかなるかあ、と考え直し突き進・・・もうとしたら「戻ってきたらジュース買って」と言ってきた。道を教えてもらったし、どうしても欲しかったら買うか、といことで「分かった」と言い残し突き進む。

大丈夫かあ、これはと思っていたら遺跡が見えた。・・・あれ?ちゃんと着いたよ。

<クオル・コー>

着いたのはいいんだけど、人っ子一人見当たらない。個人的には雰囲気などから『クオル・コー』は気に入った。で、人がいないのでゆっくり見ていると・・・蜘蛛の巣発見。つーか、何?この形は?

<蜘蛛の巣>

こんな濃く張っちゃっても虫は気がつかないで寄ってきてくれるのか?

ここも遺跡の損傷が激しいけど、壁だけでなく転がっている石の塊にまでレリーフが施されている。

右画像はクリシュナ神が山を持ち上げて牛飼いを守る神話だそう。そうやって見ると1つ1つのレリーフへの見方が変わってくる。

角には“マカラ”のレリーフ。

<マカラ>

一通り見終わり、道なき道を進むのは真っ平御免と言うことで、『クオル・コー』入口へ行き道なりに進むとしっかりとした道路に出た。つーか、目の前にある自転車はワタクシのレンタルサイクルですよね?・・・あるじゃん!ちゃんとした道が!ごめん、先ほどの物売り娘。喉も乾いていないので先を急ぐことにします。ということで次は『タ・ソム』という元々は僧院だった遺跡。思ったより人がいない。

『西塔門』をくぐり『西門』へ。『西門』のレリーフもしっかり残ってる。


<左:西塔門 右:西門>

回廊に入るも、迷うほどの大きさや複雑さはない。『タ・ソム』自体それほど広くはないので、すぐに反対の東側に辿り着く。ということ(?)なので、今度は『東塔門』から。

『東塔門』リエップという根に覆い尽くされている。改めて感じるのは生命力の強さ。『西塔門』もそうだけど、四面仏を冠している。

<東塔門>

『東塔門』から『東門』までは物売り総攻撃。ってまあ、既にこちらも慣れたもので適当に流していると、一人の韓国もしくは中国人の観光客が一人の物売りの子から絵葉書を買っていた。結果はご存知の通り、他の子供たちもその観光客に買ってくれと集まり始めた。オレに買ってくれと言っていた子もそちらの観光客にターゲットを変えたようだ。・・・さらば観光客、良い旅を!

『東門』が見えたが、先ほどは回廊を通ってきたので、今度は回廊の外側を眺めるようにして『西門』へ。

<東門>

『西門』近辺にはキレイな形の良いデバダーが残っている。左画像のデバダーから当時、大きなイヤリングを付けることがお洒落だった事が分かる・・・らしい。右画像は髪を絞っている。ふむふむ、、こうやって見ると個性のあるデバダーだ(笑)

次の遺跡へ向かう途中・・・あ、野良牛発見!?いやいや、画像から見切れてしまっているけど、子供が引き連れている牛だった(笑)

ていうか、道から少し外れた木立にはけっこう牛が目に付くんですけど(汗)・・・野・・・良?

途中、さほど大きくない橋を・・・あ、橋だ。なんだろうね、橋を新鮮に感じてしまったオレって。こちらに来て一目で橋と判る様な橋を渡っていない気がした、しかも自転車で(笑)

そうこうしているうちに『東メボン』到着。『東メボン』『東バライ』と呼ばれた大貯水池の中央の人工小島に建立された寺院。

遺跡周辺には必ずといっていいほど店があり、物売りがいる。ここまで来てしまうと、いなかったら逆に寂しさを感じてしまうかも(笑)ここ『東メボン』入り口は道路に面していると言ってもいいくらいで、木々がまばらに立っていて日差しもあることながら鬱蒼としているのではなく開放的で明るい印象を受けた。

<東メボン>

中に入ると第2階層(第1階層?)の4隅には像の石像が。これは実物大と言われている。確かに大きい・・・けど小象くらいか(笑)?

<象の石像>

さらに石段を登りって『主祠堂』へ。人でゴミゴミしていないし、風もあり気持ちがよい。

<主祠堂>

『主祠堂』を含め塔の上のほうを見ると楯(まぐさ)がある。酷く損傷しているわけではなく、寧ろキレイに残っているんじゃないだろうか。右画像のの上には整然と穴が開いている。こういった石をあちらこちらで見かけたが、何の目的があって開いていたのかよく解らん。くっ、これが個人旅行の盲点か!『迷い方』に載っていてもおかしくなさそうなんだけどなあ・・・まあ、いっか。


<楯>

それほど『主祠堂』は高い位置にある訳ではないけど見晴らしが良く、周辺には遮る物が無く流れ出る汗を鎮めてくれるかのように風が吹き気持ちがいい。・・・ま、ジリジリくる暑さは変わらないんだけど(笑)

次の右側に見えてきた『プレ・ループ』『東メボン』同様、道路に面していて明るく開放的なイメージ。

正面に当たる『東楼門』から入ると、いきなり物売りの子たちが寄ってきた。ここはチケットチェックの人は遺跡内での物売りに対して何も言わないのか?と思いつつ、「いらない」と言うとアッサリ引き返した!?ちょっと拍子抜け。左画像はその子供たち。右画像の手前の石槽で死者を荼毘に付したとされている。最初見たときはさっぱり判らなかったけど(汗)画像中央の塔は『中央祠堂』

急斜面の階段を上ると広いところに出るので落ち着ける。改めて思うけど急斜面で奥行きが短い石段が多い。一歩間違えれば大怪我だよ、これ(汗)

見渡すと塔には『偽扉』があり『偽窓』と何か関係が?同じ用途なのだろうか・・・いや、『偽窓』の用途自体よく解ってないけど。

<偽扉>

南西に位置する塔にはレリーフが残っている。左画像は4つの顔を持つブラフマー神の妻、右画像はイノシシ顔の女神・ラクシュミー。顔の判別は難しいけど・・・イノシシ顔って。


<左:ブラフマー神の妻 右:ラクシュミー>

やはりがある。風雨で傷んでしまったのだろうか、損傷が酷い。

<楯>

『東メボン』の様に風通しが良く、雲が青空にアクセントとなっている晴天、一面に広がる木々を見て感じているとボートしたくなる・・・したけど。ここはホント気持ちが良かった。

ちなみにこの時、既に持っていた水は尽きていた・・・

道なりに進んでいると左手にが見えてくる。あー、なんかのんびりしてるなあ、オレ。と思いつつ時計を見ると昼を少し過ぎていた。・・・朝の菓子パンを食べてから何も口にしてない事に気付き、あれから飲んでいたのは水のみで流れ出るのは汗。そろそろ何か口に入れたくなってきた。が、もうちょっとこのまま行けるんじゃ?と自己完結していると、今度は広そうな遺跡の外周壁らしきものが左に続いている。十字路に差しかかり、右前方には別の遺跡が見えた。さて、どっちから行こうかと少し迷ったが先ほどから見えていた左の遺跡から行くことにする。

どうやらここが“僧坊の砦”という意味を持つ『バンテアイ・クディ』らしい。『西塔門』には物売りの子達が「1$、2本」とつたない日本語で寄ってきた。水が2本?今まで1$=1本だったからちょっとびっくり。他にも画像右下にある平積みされた本も売っていた。物売りで本は初めてだ。

<西塔門>

暑さからか『西塔門』を潜ってからが、また長く感じてしまうくらい道が続く。チケットチェックの人もいなかったし、もしかして自転車で入れたんじゃね?とおかしなことを考えたのも、きっと暑さのせいだったんだろう。

建物が見えてきたがナーガの欄干のみならず、かなりの荒廃が見られた。

観光客はそれほどいなく静か。回廊の隙間から漏れる光に誘われるように奥へ進む。

<回廊>

『中央祠堂』を抜け回廊を進むと左に神殿のような『経蔵』が見える。正面には『東塔門』の裏側が・・・って裏かよ。


<左:経蔵? 右:東塔門>

で、例によって『東塔門』から入りなおす(笑)『東塔門』の方が西に比べると荒廃が少ないように見えた。

<東塔門>

今までの遺跡では仏像が安置されている場所には大抵、線香を売りつけてきたりする人がいたものだけど、誰一人としていない。仏像にはいろいろなものが飾り付けられている。

<東塔門内の仏像>

昨日、今日、回ってきた遺跡では1人くらいは日本人客がいたけど、ここはいなかったなあ。近くに有名な遺跡があるから、そっちに時間を割いているのか?

『西塔門』から出ると「1$、2本」と先ほどの女の子がリベンジしてきた。それほど時間は経っていないけど、オレの顔を忘れたのか覚えているけど敢えて買ってくれと言って来ているのか、オレには判らなかった・・・それでも買わなかったけど。自転車を漕ぎ始めたら男の子が追いかけてきて、楽器を買ってくれときた!寄って来るの遅っ(汗)売るのを止めたのか途中から笑顔で付いてくるだけになった。時間の余裕と軽い脱水症状になってなかったらもっと構ってあげたんだけどね。そんな感じで舌がカラカラです。

次は近くにある有名な遺跡、『タ・プローム』。実は『トゥームレイダー』の撮影場所になったり、『天空の城ラピュタ』 のモデルになった(『タ・プローム』と雰囲気が似ているから訪れた人が勝手に言っているだけかもしれない)とも言われている人気の遺跡。そのため『バンテアイ・クディ』より観光客や店が多く賑やか。そしてオレの水分は限界に近づいていたりする。『タ・プローム』見学から戻ってヤバかったら水でも買うか・・・。

『西塔門』から入る人が多いかもしれないが、正規の入口は崩壊した『東塔門』。この『東塔門』から『東門』までの長い参道には多くの人が歩き、脇には演奏をしている人たちも。

『テラス』では木に寄りかかって読書をしている女性がいる。遺跡でのんびり過ごすって、確かに気持ちがいいかも・・・絶対にがいるけどね!

<東門&テラス>

上画像の通り真正面は修復中らしく、脇にあるところから入る。入ったとたんに左手に早速スポアンの木が建物に絡みついている。『タ・プローム』では“血管”とか“鳥の足”とか表現される木々が多いけど、個人的には“命”そのものを具現化した形に思えた。生きることへの執着を感じます。

まあ、ぶっちゃけ寺院の管理を怠った結果がこうなったらしいんで、夢もへったくれもない(笑)人が自然に負けたことを象徴しているかのよう。

『前柱殿』を左手にさらに奥へと足を踏み入れる。道の脇には苔に覆われた石がゴロゴロ。『前柱殿』の上の方にはやはりレリーフが施されている。

2つ目の『東塔門』をくぐらずに、右に折れると壁を押さえつけるように見える木々がそこかしこにある。

2つ目の『東塔門』をくぐり右へ進むと一風変わった木が目に入った。・・・なんだ?あのヒラヒラしている根っこは(笑)当たり前だけど触ってもヒラヒラしてませんでした。

これはもう押さえつけるとかの次元じゃなくて、押し潰しているようにしか見えない。というより建物を侵食しようとしている!?

近くにエコーが響くお堂があった。そう、『アンコール・ワット』で体験したやつだ・・・んが、人の多さに辞退。さすがにエコー響かせるのに並ぶ気はないよorz

『中央祠堂』への回廊は真っ暗。わずかな日の光を頼りに進んで行く。・・・あれ?何だか知らない内に欧米人さんのツアーに混じってしまっているんですけど?時折振り向いているあなた、お願いだから見ないで!不可抗力なんだから!回廊を抜け、『中央祠堂』近辺に着くと何十もの木が重なり合っているんじゃないだろうかと錯覚してしまうほどの木が天高く伸びていた。自然が造り出した芸術か?

『中央祠堂』デバダーがはっきりとした形を残しているのが多い。周囲の建物は崩壊しているのにどうしてデバダーがこんなにもキレイに残っているのか不思議に感じた。もちろんその周辺も木々と建物の融合は目につく。日の光によるハイライトと影によって出来るコントラストは気分を落ち着かせてくれる。おかげで舌のカラカラもこの時は忘れていた(笑)


<左:デバダー>

見慣れた光景になってくると、木ではなく地球外生命体に思えてきた。

『西門』に出るも残念なことに修復工事のためか参道を歩くことも触ることもできなかった。つーか、ブルーシート邪魔(笑)


<西門>

一通り見終わって入ってきた『東塔門』を目指していると、限界を感じ始めた。っていうか、ちょっとふらつきますが?あーあー、もしかして軽い脱水症状ですか、オレ?ウ○トラマンだったらピーコンピーコン鳴りっぱなしだな(笑)『東塔門』を出ると早速、物売りの子供たちが。流石にこちらも限界なので買う気満々です!ということで最初に寄ってきた女の子が「1$、2本」というので付いて行くことに。女の子は水2本=1$らしかったが、こちらは糖分も補給したかったので「水1本、コカコーラ1本。OK?」と聞くとオレの切羽詰まった顔が効果を出したのかどうか定かではないが、同意してくれた。ありがとう!名の知れない女の子!早速飲む!殆ど秒殺でコカコーラは空になった。あー、生き返った。お金を持っているのに生命の危機を感じる状態になるってどーなのよ?と自問自答。今思うと、どうしてここで食事をしなかったのか、少し後悔。

水分オッケー!糖分オッケー!ということで息も吹き返したので『タ・ケウ』を目指して出発。道なりに進んで行くと人が妙に多い場所に出た。なんだろうと思ったら『タ・プローム』『西門』だった。つーか道路沿いに入り口がちゃんとあったのね(汗)『東門』より店があるように見えた。

“クリスタルの古老”の意味を持つ『タ・ケウ』は王の突然の死によって装飾がほとんどされていないらしく、建物自体も未完成という物悲しい寺院遺跡。自分を含めて道路沿いにある南側から入る人が多いが、本来の入り口は参道跡と境界石が残っている東側になる。

<タ・ケウ>

第二階層へ上るのに、なかなかの急勾配の石段(汗)ホントに奥行きが無いから足を横にしないと危険かも。その第二階層には荒れ果てた遺跡の中に内側がスッカラカンの『偽窓』が残っている。この『偽窓』にも格子の様な物はあったのかな?

<偽窓>

第二回廊から『中央祠堂』へと続く階段が・・・目の・・・前・・・に!?今日回ってきた遺跡の中でトップクラスの急斜面の石段。しかも長い・・・orz

えーと、こんな所で転げ落ちて死にませんように、ナムナム!ということで手をつきながら上るというより登る。振り返って見下ろしてみると・・・うん、やっぱりよく見渡せる高さだ(笑)

『中央祠堂』に着くと仏像さん。これは後から安置されたもので本来、何を祀っていたのかは不明とのこと。

<中央祠堂内・仏像>

『中央祠堂』からの眺望は良いし、風もあって気持ちが良い。やっぱ、高いところは登れば登るほどそれだけ良いことがある・・・ただ、眺めは良いのだが足場がほとんど無いので『中央祠堂』ではあまりのんびり出来ないorz

『迷い方』を見ると『トマノン』『チャウ・サイ・テボーダ』という遺跡が近くにあるので行くことにする。

途中、短い橋を渡ると右手に遺跡発見。『迷い方』にも載っていない・・・?後から知ったけど、“石の橋”を意味している『スピアン・トマ』という遺跡。バイタクだったら絶対スルーしてただろうな。自転車のありがたさを知った(笑)

<スピアン・トマ>

そこから更に進むと、右手に『トマノン』左手に『チャウ・サイ・テボーダ』が向かい合うようにしてある。うんうん、近いから移動が楽で何よりだ(笑)まずは『トマノン』から。

道路と『トマノン』の間に位置する広場では地元独特の遊びだろうか、地面に円を描きその中に数字や線が描かれた所を子供たちが輪になって何かやっていた。と、見入っていると物売り接近。さっさと『トマノン』見学に行くことにする(汗)

『トマノン』フランス極東学院によって修復されたとのこと。左から『西楼門』『中央祠堂』『拝殿』『経蔵』とあり、『経蔵』の奥に隠れていて見えないが『東楼門』がある。このため遺跡群の中では小規模の部類にあたる。

<トマノン>

『中央祠堂』にはキレイなデバダーが数多く残っていて、もちろん中に入ることも出来る・・・周りには観光客がいたけど中に入ったのはオレだけだったなあ。

<中央祠堂>

中には仏像があり線香を立てたら傍にいるお婆さんが「ワンダ(ry」のパターンか、と察知して先に「お金は無い」といつものやり取りをしていると、よく解らないが無償(?)で右手首に赤い糸を巻きつけてくれた。何のご利益があるのかサッパリ解らなかったが、礼を言って『拝殿』へ向かおうとすると何処からともなく少年が出てきて、勝手にレリーフの解説などをしてき(汗)あー、面倒くさ。と内心思いながらここでも「お金は無い」と言ったのだが、まだ案内してくるので、なるようになれ!と思い直してせっかくだから聴くことにする。

『中央祠堂』内部の上や『拝殿』には確かにキレイなレリーフが残っている。


<左:中央祠堂内部 右:拝殿外側>

少年によると大きな地震が来て一度崩れたとか何とか。それをここまで修復したのだそう。そうやって見ると莫大な時間と労力が費やされたんだろう。

『チャウ・サイ・テボーダ』に移動しようとすると、少年が自分の身の上話をして「ワン(ry」ときたもんだ。お金無いと言ったのに信用してないんだな、彼はorzというかそもそもあげるつもりはないので、「20$札しかない」というと、今度は「日本円をくれ」ときた。そういえば財布の中に5円玉はあったな、なぜか。ということを思い出し、渡そうとすると拒否られた!?なるほど、どういう訳か5円玉の価値を知っているということだな?っていうか記念にもらっとけよ!って思ったけど生活かかってるんで5円玉は意味がないんだろうな、やっぱり。その後、彼は笑って去っていった。

よく解らないやり取りをした後は、ようやく『チャウ・サイ・テボーダ』へ。

こちらも規模は小さく、当時のものと思われる赤い彩色が印象的。また、崩壊が酷い。


<チャウ・サイ・テボーダ>

ここまで来ると段々どの遺跡も同じように見えてきた(汗)この『チャウ・サイ・テボーダ』はものの数分で終了したような・・・。

気を取り直して『バンテアイ・クディ』近くで見かけたへ。

この・・・いや“聖なる池”という意味を持つ『スラ・スラン』は王のための沐浴池。つまりバカでっかいお風呂。雨期だからたっぷりと水があるけど、乾期にはどうなっているやら。池の中心に建てられた『中央祠堂』ポル・ポト時代に崩壊したらしいが、乾期になるとその名残が薄っすらと水面から頭を出すらしい。

『スラ・スラン』と道を挟んだ反対側に『バンテアイ・クディ』『東塔門』!?こっちから入ったほうが近かったんじゃ・・・とは考えないようにした。

自転車を止め『スラ・スラン』へと向かう途中の広場で物売りの女の子・・・ってまた女の子か。「Tシャツ1枚、1$」ときた。・・・ん?1枚=1$?安っ!この後、GHに戻るだけだったら買ってたんだけどなあ。『オールドマーケット』より安かったし。「Tシャツいらない」と言うと「ジュース買って」ときたのでこれも「いらない」と答えた。すると「名前を教えて!」ときたので名前くらいなら別にいいや、と思い名前を教えると、「プレゼント!」と言われて籐製ブレスレットを1つくれると言うが、何かあるんじゃないかと思い拒否。それでも「プレゼント!」と言って食い下がる。このやり取りを2〜3回続けていると女の子が拗ねてきたので礼を言って素直に好意として受け取った。ようやく『スラ・スラン』へ(汗)

『スラ・スラン』のテラス欄干にはナーガシンハ像があり、石段はへと続いている。


<スラ・スラン>

こんな広大なところが沐浴場か。さぞかし気持ちよかっただろうな。と耽っていると「○X△(←名前)〜!」と大声で呼ばれるワタクシの名前。・・・え!?こんな異国の地でオレの名前を呼ぶやつは誰だ??と思ったが、直ぐに先ほどの女の子に名前を教えたことを思い出す(汗)「後でジュース買ってねー!」と、すげー満面の笑みなんですけど。「お、おおぉ。」と適当に相槌を打つ・・・あれ?さっき断ったよな。

次の遺跡へ移動しようと広場を歩いていると、先ほどの子が走って追いかけてきた!?・・・以下そのやり取り。

女の子「○X△(←名前)、ジュースは?」

オレ「いらないよ」

女の子「・・・Tシャツは?」

オレ「いらないよ」

女の子「見るだけでも見て行って!」

オレ「ごめんよ、先を急いでいるから、じゃあね!」

なぜか“じゃあね!”だけ日本語になってしまった。

女の子「何で、じゃあねなの!?」

・・・片言だったけど、日本語で返された!?

自転車のところまで付いてきたが、オレが買わないことを理解してくれたのか引き返して行った。ごめんな〜、ブレスレットもらったのに何も買わなくて、と心の中で謝っておく。なんだろね、このちょっとした罪悪感は。

『スラ・スラン』『バンテアイ・クディ』に挟まれている道路を『プラサット・クラヴァン』や市街地方面のへ向かう。『迷い方』を見ると道路から外れたところに遺跡があることが判り途中でUターン。舗装はされていない道なので、今日が雨でなく晴れで良かったー、と思わせてくれる道をひたすら進む。途中、兄弟だろうか2人の男の子が牛と一緒になぜか水田の中に。笑顔で手を振ってみたら返ってきた。良かった、不審者に思われなくて(笑)

『プラサット・バッチュム』に関して“遺跡周辺は人が少ないため、単独で訪れない方が良い”とこれを更新している最中に知りました(汗)

基壇の上に3つのレンガ造りの祠堂が並んでいる。特筆すべきことはないが観光客は一人もいないのでのんびり出来るのは確か。時間がなかったらスルーしても良いだろうけど、時間に余裕があるようだったら行ってみるのもアリかと。

<プラサット・バッチュム>

いい加減、足が疲れて腹が減ってきた。そして水も尽きたところで『プラサット・クラヴァン』に到着。観光客はまばらだ。道路沿いから行くと裏から入る形になるので前に回る。

レンガ造りの各祠堂に祀られている神様は左から順にウマブラフマー神ヴィシュヌ神シヴァ神ラクシュミー

<プラサット・クラヴァン>

神様のレリーフがある祠堂やない祠堂がある。特に中央のヴィシュヌ神には人が多い。内部を見るのに順番待ちになっているのはいかがなものか(笑)


<左:ラクシュミー 右:ヴィシュヌ神>

あー、そろそろ限界だ!ということで『オールドマーケット』に行って休憩を挟んでから『プノン・バケン』で夕日を見ることにする。右のほうに道なりに進むと『アンコール・ワット』に辿り着いてしまうので、道なりに直進することに。この道はキレイに舗装されていて両サイドに街灯らしきものがある。最近出来たばかりなのだろうか?舗装されているおかげで快適に進む!進む!・・・と感じたのは途中まで。日が照りつけ体力を奪っていく。それに拍車をかけるように進めど進めど先が見えない。延々と同じような風景が続くだけorz

漸く曲がるべきところを曲がり、あと少しで『オールドマーケット』到着だ!と気力を振り絞って進む。やっと着いた〜。そうそう、昨日の早朝に寄った遺跡観光チケット購入場所で休憩して・・・えっ!?違うじゃん!『オールドマーケット』と全然違う方向なんだが!?

もうこの時は訳解んなくて“?”がいっぱい浮かんだ、と同時に軽く混乱したorz慣れない土地だからか方向感覚を時々、失ったんだよなあ。今までこういうことは無かったはずなんだけど・・・。

時計を見ると16時半を過ぎていたので、『オールドマーケット』へ行く時間もないし今更だということで、仕方なく『プノン・バケン』を目指す。この時、本日2回目の軽い脱水症状。途中で倒れるんじゃないかと思った(笑)

心身ともに疲弊している自分を叱咤して『プノン・バケン』入り口に到着。そして人と車でごった返している。みんな考えることは一緒らしい。

自転車を何処に止めようか迷っていると、「1リットル、1$」と来た物売りの子が天使に見えた!・・・ただ財布にあるのは20$札のみ。「20$札しかない」と言うと「大丈夫」と言われたので、20$札を渡すと「ここで待ってて」と言われてお釣りと水を持ってきてくれた。多分、動くのも億劫だったオレの顔とオーラから“疲労困憊”というものが滲み出ていたんだろう。

水のおかげで復活したら、本気とも冗談ともつかない口調で「帰りにジュース買ってね」と笑顔で言ってきたので笑顔で誤魔化した。

『アンコール三聖山』の1つ『プノン・バケン山』を登っていくと山頂にピラミッド状の遺跡がある、これが『プノン・バケン』。山頂へは徒歩で登るか、象に乗って登るかになる。人の流れに身を任せゾロゾロと山頂を目指す。もちろん歩いて。どうやら急斜面の最短コースは利用できないようで、クネクネと緩やかな坂道を登っていく。ようやく見えた『プノン・バケン』。あれを登れば絶景が見れるというわけだな?心身ともに回復したのをいいことにやる気満々だ(笑)

<プノン・バケン>

異常に急な石段は登るではなくよじ登るといった感じだろうか・・・あー、ついにこの角度は『タ・ケウ』の石段を越えたと感じた。

南西には、黄色い気球に乗って一望できるという『アンコール・バルーン』が浮かんでいる(左画像)のが見える。・・・ただ、頂上に着いたのはいいんだけど、雲が取れていないのが不安だ。えー、ちなみに右画像の手首に巻いていある赤い紐『トマノン』でお婆さんに巻いてもらったので、もう一つが『スラ・スラン』で女の子にもらったブレスレット。この旅行中、日本に帰るまで1度も外さなかったなあ、そういえば。

右画像の中央に見えるのような貯水池『西バライ』、その中にポツンと見えるのが『西メボン』が建立していた小島・・・多分ね。遥か昔は『東メボン』もあんな感じだったんだろうな。で、その『西バライ』が夕日のポイントとなる。御覧の通り厚い雲が垂れこめているけど。どっか行けー!雲ー!!と叫びたい心境でした、ハイ。

左画像の左側の建物が『主祠堂』。17時半を回るとドンドン人が登ってくる。右画像は北側になるのだけど・・・もはや何も言うまい(泣)

雲が取れるのを願って夕日を待ち続けていると、南西方面から一目で雨雲と判る雲がが急速接近(汗)・・・スコールに見舞われる。あー、あれが雨を降らせた雲だったんだなあ、と滅多にない体験。雨は直ぐに止んだので再び夕日鑑賞。そして・・・。

・・・・・。

・・・・・・・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

結局、雲が邪魔してくれちゃってキレイな夕日を拝むことは叶わなかった。結果は右画像の通り。南西を見ると空が妙に赤くなっている(左画像)。片や雷雲、片や夕日という特殊な状況を楽しめた。つーか、さっきから雷のような音がして厚い雲が異常な早さでこちらに向かっているんだが?と思ったのも束の間、短時間で2度目のスコールの来襲。昨日の今日なのに、またもや雨具は持っていないので、流石に2回目は『主祠堂』へ避難・・・って考えることはみんな一緒かよ!

撮り忘れたけど、ここ『プノン・バケン』は夕日のスポットだけでなく、『アンコール・ワット』『西バライ』『シェムリアップ空港』など多くの名所が大パノラマとなって一望できる。ハイキングして登ってくる価値はアリかと。

ここは個人よりもツアー客が非常に多い、といってもJTBH.I.S.の2社しか見なかったけど。スコールが去り暗くなり始めてきたので『プノン・バケン山』を下山し、自転車の所へ戻ると20台くらい止まっていた自転車が、今では自分のを含めて2台しか止まっていなかった(笑)夕日の時間も過ぎたから辺りもだいぶ暗くなっている。少し急いで帰って“アプサラ・ダンス”が観れる『ジャスミン・アンコール』へ行って予約しなければ(今更、予約も何もないけど)と、自転車を漕ぎだす。

・・・く、暗い。ライトを点けるか・・・うん、ないね。じゃあせめて、万が一の時はベルで自分の居場所くらいは・・・うん、これもないね。・・・無い無いづくしじゃん!しかも自転車のチェーンが外れる前兆のように、漕ぐたびに感じる違和感と変な音。お蔭で様で全力で漕ぐ事が出来ませんでしたorz無事に帰れますように、ナムナム!

そんな不安を抱えながら進んでいると、『アンコール・ワット』のライトアップ。おー、僥倖だな、これは。いいもの観れたよ。ありがとう自転車。デジカメの電池がもうなかったから焦って撮ったらぶれたけどね!

<アンコール・ワット>

何度かバスやらなんやらに轢かれそうになったが、ようやく見覚えある道に出た。あー、GH近くだよなあ、ここ。ホッとした(笑)自転車を返す前に『ジャスミン・アンコール』へ行き、「“アプサラ・ダンス”が観たいんだけど、レンタルサイクルが20時までだから、自転車を返してからここで食事をしたい。それまで席を取っといてくれるか?」と聞くと、「席は大丈夫。ショーは20時からだけど大丈夫か?」と店員に言われた。時計を見ると19時半だったので、今から自転車を返して歩いて『ジャスミン・アンコール』へ戻ってきても20時ギリギリには着きそうなので、「大丈夫」と答え直ぐ行動!あー、“アプサラ・ダンス”が観れるし、漸く飯にありつける(笑)

自転車を返して『ジャスミン・アンコール』へ戻ると入り口には先ほどの店員が待っていてくれた。ちょっと感動(笑)客は観光客ばかりで地元人はまばら。それに思った以上に混んでなかったのは拍子抜け。

食事はカンボジア料理を中心としたビュッフェ形式なので、頼んだビール2.5$)を待っている間に食事を取りに行く。料金は12$で飲み物は別。昼の分も取り返す気満々だったので、気が付いたらテンコ盛り(汗)

過度な空腹状態に突然、物を入れたのが良くなかったんだろう、1皿食い切れずに気分が悪くなったorzお、落ち着け、オレ。一口一口よく噛まなきゃ体に悪いよね?と言うことが教訓になった時間でしたー!

気分が落ち着いてきたら、いつもの調子に戻ってきた。その後、席と食事が並んだ場所を何度往復したことか。さすがに全部制覇は無理だったなあ、ははは・・・制覇する意気込みはありました(笑)何と言っても12$ですから!ビュッフェなので驚くほど美味しい料理は特になかったけど、普段目にしないものばかりで種類も豊富だから満足。

舞台では“ココナッツダンス”“漁師の踊り”など伝統民族舞踊から始まり、宮廷古典舞踊“アプサラ・ダンス”となる。

さて、大本命の“アプサラ・ダンス”“天女の舞”を意味している。ポル・ポト時代宮廷古典踊は王政にまつわるものとして弾圧の対象となり、舞踊に関わる約9割もの人々が虐殺される。ポル・ポト政権崩壊後に僅かに生き残った舞踊家たちの手によって復興。そして2003年、カンボジアの宮廷古典舞踊世界無形文化遺産としてユネスコに登録されるという、時代の波に翻弄された歴史ある古典舞踊。

<アプサラ・ダンス>

一つ一つの動作に意味を持ち、身体全体から手の指先までゆっくり滑らかで優美な動きは観ていて興味深かった。ただ、その動作の意味が良く解らなかったのはオレだけじゃあるまい!と誤魔化す。『バイヨンT』のようにストーリーが載った紙は欲しかったのが正直なところ。それでも魅了される舞踊だった。全ての演目は約1時間くらいで終わる。

<アプサラ・ダンス>

ここでお世話になった店員さんが、演目が終わると舞台に上がることが出来、ダンサーたちと写真が撮れると教えてくれたが、流石に一人じゃなあ・・・ということで笑顔で断った。

外へ出ると食事中に大きな雨音で襲ってきていたスコールもすっかり去り、コーヒーを無性に飲みたくなったので水ととも(1.05$)に『スターマート』で購入してからGHへ戻ることに。デジカメの電池を充電して、明日の午後にはタイへ向かうので荷物の整理。鏡を見ると一瞬、誰!?と思うくらい日焼けしていた(笑)日が照ってたし、自転車だったからなあと納得。

明朝は朝日のリベンジなので0時くらいに就寝zzz

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