山陰山陽
2010年 5月

一日目 二日目 三日目
四日目 五日目 六日目

………さ…む……い………さむ………………寒っ!

ということで寒さのため5:45起床orzどうやら5月に入っても毛布1枚だけでは無謀らしい。………ここ標高高くないよな?

目覚ましが鳴る前に起きてしまったので仕方ない。顔洗って歯磨いて活動準備。

周りを見渡すとオレ同様、準備している人がチラホラいる。

じゃ、早速行きますかー!

まずは朝一で旧出雲大社駅へ。当初はここで車中泊しようかと考えていたけど、道の駅大社ご縁広場を昨夜ガイドブックで見つけたので行かなかった。到着すると5台くらい車中泊の車が目に入った。んんん、この古ぼけた感じの旧出雲大社駅はたまらんなあ。

大社線の廃止に伴い平成2年に廃駅となったようだけど、観光地の一つとなってるなここ。駅自体も当時のままのようでノスタルジックな雰囲気がある。改札を抜けると人気のない線路。いいな、こういうの。

ここから東京までの列車があったり、一日の乗降客4000人の時期もあったようで昔はかなり栄えていたんだろうな。

D51型蒸気機関車もあったりと当時を偲ぶ数々の品がここにはまだ残っている。

さていよいよ出雲大社へ向かうか!車を走ら大鳥居を通過。この鳥居が青銅や木で出来ていたら感動はあっただろうな…。

出雲大社の駐車場へ行くと、7時前だというのにほぼ満車状態!マジで!?

オレの計画としては人影がほとんどない出雲大社を参拝することが理想だったのだが、この様子じゃ叶わぬ夢となりそうだorz正面の参道へ行き参拝開始。そこで振り向くと先程のの大鳥居が。

やっぱり結構人がいるなあ。5時くらいに参拝すれば理想の環境になっているのか(汗)?そして参道を歩きながら、

「あ、そういえば『かみちゅ!』にも出雲大社が舞台になったシーンがあった気がする」

と思い出し、我ながらこの歳にしてアニメとの縁を切ることは不可能なんだろうなあ、とも思ってみた。切るつもりもないけどね!

感じたことは緑が多く神秘的な雰囲気があった伊勢神宮のほうが自分好みということだろうか。

松並木の参道が終わると、その両脇に幸魂・奇魂を拝む大国主神と道の駅神話の里 白うさぎで見た像とそっくりの大国主神白兎

この出雲大社の祭神は大地を象徴される神・大国主神であり、天の象徴とされる天照大神に対している。まさに神話通りということか。とはいえ、祭神は大国主神 → スサノオ → 大国主神(現在)といった形で時代に翻弄されていたと言えるかもしれない。

スサノオの子孫とされている大国主神天津神(アマテラスら高天原の神々)に“国譲り”を行う際、その代償として天の御子が住むのと同じくらい大きな宮殿を建ててほしいと求められたのが出雲大社の始まりとされている。

えーと、細かいところまで記述すると神話の話だけでオレが息切れしてしまいそうなので、興味がある人は本なりネットなりで調べると面白いと思う(Σ( ̄◇ ̄;)投げた)

銅の鳥居を潜ると仮拝殿のお目見え。注連縄がぶっといっすなあ。これよりも大きい日本トップクラスの注連縄がある神楽殿が楽しみだ。

おみくじでもと思ったけど、どうせまた後で来るだろうからその時に引こうかと思い、奥へと進むことにする。

見えてきたのは八足門(やつあしもん)。この奥に本殿があるはず…なんだけど……本殿はというと………平成の大遷宮のた拝むこと叶わず。見事な工事幕だな!

が、八足門の隙間から辛うじてその1部が見え………るわけもなく(笑)ただ、楼門は見えたけど。

一般の参拝はここまで。知っている人もいると思うけど、出雲大社の拝礼は数多の社での拝礼とは少し異なり“二礼四拍手一礼”。確か大分県の宇佐神宮の拝礼もこれに当たっていた気がする。

八足門付近で下を見ると御柱の印がある。巨大柱3本を1組として、9組の柱で本殿を支えていたとか云々。当時の模型を画像で目にするけど、実物を見てみたい。想像を絶するような光景だったんだろうな。

ああぁ、確か『神無月の巫女』でもラストで出て(ry

さて、話し戻して本殿を挟むようにして東西にあるのが十九社。これは旧暦10月11日〜17日の際、全国各地の神々の宿舎となる社。一時とはいえここに八百万の神々が滞在しているのを想像すると胸が熱くなるな。ていうかとんでもないところだなここ!


<左:西十九社 右:東十九社>

十九社の奥には氏社釜社がある。そこから中央の斜め上を見ると、祭神が女神である社を拝むことが出来た。

この辺りは人が少なく静かなため拝殿八足門などよりも神聖な雰囲気がある。西十九社を更に進み、西の門を出て小川を渡ると目に入るのは神楽殿

でかい。神楽殿自体の建物もでかいけど、注連縄が大きすぎ(笑)長さ13m、周囲9m、重さ5tもあるのだから当然といえば当然か(汗)そしてその大注連縄の下でチャリンチャリン音を立てながら参拝者が必死に注連縄に向かって硬貨を投げている。

これは………………面白そうだな(笑)

ということでこちらは1人なので何度も投げるのは恥ずかしいから一発で刺さりますようにと念を籠めて、ついでに願い事も籠めて………投げる!

………

………………

………………………

さ………刺さったよ!一発で刺さったよ!やったね!やれば出来る子だなオレ!

チャリーン

その代わり別の硬貨が1枚落ちたけどさ!

ちょwwwやめてwwwwwwやったね!じゃねーしwww

………あー、あれか。つまりオレの願いは誰かの犠牲の上に成り立つというわけか。そうかそうか。これから犠牲になる人、先にこの場を借りてお礼と謝罪を(笑)

ちなみに落ちた硬貨は懐に入れずに、注連縄に刺しときました………ホントだよ?

この行為は誰が言い出したのか、硬貨が注連縄に刺さると願いが叶うとかうんたらかんたら。

満足したところで神楽殿の脇にある鏡の池へ。不思議と水があると藤の花が映えるなあ………あ、鳥がいるじゃん(画像中央あたり2羽の白い鳥)。

て思ったら作り物だった。騙されたー!ちくしょー!

奥に進めるようなので足を運んでみると、神楽殿の裏に出る。そこには鎮守社・天満宮がひっそりと佇んでいた。人っ子一人いないほうが落ち着くのはやはり歳のせいなのだろうか………。

神楽殿を抜けてブラブラ歩いていると祖霊社(正式には出雲大社教祖霊社)なるものを発見。ここは簡単に纏めると先祖の神霊を鎮祭する社らしい。

祭壇まで土足で進めるというのには少々驚いたけど。先程の出雲大社拝殿神楽殿の賑わいもどこへやら、ひっそりとしていた。

住宅街のほうへ進むと今度は非常にこじんまりとした社・都稲荷社を発見。木製の扉を開けると小さな狐の置物が多数、並べられていた。

ここまで小さいとガイドブックには載らなそうだ。

と、ここでふと思い出す。西の門を出たら神楽殿があったくらいだから、東の門の先にも何かしらあるんじゃなかろうか…と。

ついでにお腹すいたorz朝早いから店が開いてないよ!でまたまた思い出したのは駐車場前の蕎麦屋が開いていた気がする………と。

とりあえず、東の門へ行ってから考えるか。

先程参拝したばかりの拝殿を通ると銅製の神馬神牛が祀ってあることに気付く。何かご利益でもあるのかな、と思い撫でておく。でちょっと調べたら子宝を授かる安産の神様のようで………あー、オレ男だわ(笑)

で、おみくじでもと思ったら………なんか行列が出来てる(笑)さすがに笑ってしまった。てことでおみくじは却下で。まあ、年に1回引いてこそのご利益だろ、という考えなのでおみくじ自体に興味はなかったワタクシ。

つーことでトンネルを抜けると…いやいや、門を抜けるとそこは“出雲教”………なにこれ?妙な言葉を目にしながら左右へと分かれる道があるので、取り敢えず右へ進む。

すると妙に広く整えられた空間に出た。この庭園のベンチでのんびりしろということか。

その庭園の奥には天満宮天神社が小さな石橋を渡った先にある。なんとなく人を寄せ付けないような空気があった。まあ、人はいないし静かなところでいいんだけど………なんか落ち着かないなあ。

神殿を通り過ぎ、大門へ出てみる。ここの注連縄も立派だった。先入観があるからかもしれないけど、この辺りの注連縄はどれも立派に見える。


<左:神殿 右:大門>

庭園へ戻り左奥には御三社(荒神社、天穂日命社、稲荷社)がある。個人的にはここの雰囲気が非常に良かった。ちなみにこの御三社はオレが入ってきた分かれ道を左に行くとお目にかかれる。

出雲教とは出雲国造・北島家の主宰する神道教団で、主祭神を大国主命、教祖を天穂日命とする。初代教主は北島脩好であり、以降、北島家の当主が教主を継いでいるとのこと。

………だめだ。大変歴史ある教団なんだろうけど、こういうのはどうにもカルトっぽく感じてしまう。

時計を見ると8時を過ぎたばかりだ。そろそろ朝食を取りたい。せっかくここまできたんだから出雲そばでしょ!ということで駐車場辺りに来ると2軒の蕎麦屋が開いている。

『おくに』『おそば処八雲』と2軒が揃って開いていたけど………迷う。優柔不断がここに来て炸裂だぜ!

ということで朝食を、と思ったけど………ま…まだだ、まだ慌てるような時間じゃない。

稲佐の浜へ行くことにしました。この時間帯なら人いなそうだし。駐車場があるようなので当初の予定では車で行こうかと思ったけど、実際に現地で歩いたりして地図を見ると歩ける距離じゃね?とオレ尺度で結論が出たので歩きで行くことに(笑)

その途中には出雲阿国の墓所がある。これも事前にリサーチ済みだったりする(笑)駐車場はないから歩きで丁度良かったのかも。

出雲阿国歌舞伎の創始者とされる女性芸能者。出雲大社の巫女だったという説もあり、晩年は出雲大社へ戻り尼になったともいわれている。

ワタシ歌舞伎観賞したことないけど(おい)。

さてそこから更に海へと向かって歩く!歩きまくる!出雲大社から15分くらいだろうか漸く到着だぜえ!

海へと向かう道路から稲佐の浜弁天島が徐々に見えてくる光景は素晴らしいものがあるな。

ここ稲佐の浜は神話にある“国譲り”の舞台。

それと「出雲の国は狭いから、他の国から余った土地を引っ張って広くしちゃおうぜ!(要約しすぎたw)」という“国引き”の舞台でもある。ホント神様はやりたい放題だな(笑)スケールでかすぎだ!巨岩の弁天島は以前、弁才天を祀っていたが現在は豊玉毘古命を祀っているらしい。

ちらほらと人はいるけど静かなものだ。車もほとんど通らないし、人も少ない、聞こえるのは波の音と鳥の鳴き声くらい。いや、冗談じゃなくて。ああぁ、今オレは旅行してるんだなあ、ともっとも過ぎる事が頭をよぎった。

ぐぅ〜…

あ、そろそろ空腹のあまりオレの身体が限界です。ということで来た道を戻る。が、左に奉納山公園の上に眺めの良い展望台があるらしいのでフラフラと誘惑に乗って上ってみることにした(笑)

中腹には出雲阿国の石塔があり、ここからの眺めも悪くない。しかしまだまだ上へ行けるらしいので足を進める。それに比例してオレの呼吸が乱れ足が重くなる。オレは飯も食わずに何をやっているんだと自問自答しながら漸く展望台に到着。

車でも来れるようだけど、歩いてこないと達成感は得られないかと…大した距離じゃないけど。

うーん、遠くが若干、靄がかかっているように見えるけど眺めは最高だな。先程いた稲佐の浜も見える。それと、この場で感じた圧倒的存在感の山々は人々が暮らしている街を守護しているようにも見えてくる。普段はこんなこと感じないからなあ………神話の舞台に感化されすぎたようだ(笑)まあ、山は神や霊が宿る、あるいは降臨する(神降ろし)場所として信じられている山岳信仰があるくらいだからあながち間違いじゃない………かも(笑)?

その後、駐車場へ戻り『おそば処八雲』へ入り、三色割子そばを注文。

出雲周辺を旅行した人から「出雲そばは大して美味しくなかった」と聞いたので半信半疑だったけど………美味しい。適度な歯応えがあり、のど越しがよくスルスルと胃に入っていく。つゆも美味しいし、店員の態度も良かったし問題なく美味しく頂いた。

腹も満たされたということで、現役バリバリの出雲大社前駅を覗いてみることに。電車に乗らないけど。

車は駐車場に置いといて歩いていく。ていうか道混み過ぎ(汗)出雲大社の駐車場へ向けてかなりの渋滞が出来てる。この惨状を見たら、午前中に出雲大社を参拝して心底良かったと思える。流石に観光名所とあって人も集まるか。そもそもGWだし。

ぜんざいも有名なようなので店を探してみたけど、10時前ということもあり開いてなかった。有名店(?)にいたっては11時開店とか。その頃には次の目的地へ移動するつもりなのでどう考えてもX無理だった。

駐車場から10分くらい歩いて出雲大社前駅に到着。遠くから見たときは立派な公衆トイレの建物だと思って通り過ぎるところだった(笑)旧出雲大社駅が和風ならこちらは洋風といったところだろうか。

駅舎はレトロな雰囲気満点で天井が高くステンドグラスもあり、外観と違って良い雰囲気。観光案内所もあるので電車で訪れた人はここで情報を得るのがいいかもしれない。

次の目的地、古代出雲歴史博物館へ行く途中、古代出雲大社模型展示館「雲太」というのが気になったので入ってみる。商店を思わせてくれる作りで、扉も開けっ放しで入りやすい雰囲気。

そこには様々な時代の出雲大社本殿を再現した模型や、御柱など多くの興味深い模型が所狭しと展示されている。しかも無料!写真撮り放題!!なので出雲大社に訪れたら立ち寄ったほうがいいと思われ。

古代出雲歴史博物館へと進む。近代的な建物へ吸い込まれるように入り、出雲大社前駅で手に入れた割引券を見せて中へ。企画展に興味は覚えなかったので常設展のみのチケットを購入。ちなみに企画展は映画『RAILWAYS』に合わせてか一畑電車に関する内容だった。ってか、『RAILWAYS』ていう映画自体があるのをこのとき初めて知った。

中央ロビーには出雲大社境内より出土した御柱である宇豆柱が展示されている。一応、常設展は見る順序があるのでそれに沿って見学。とはいえ案の定、撮影禁止なので画像なし。

テーマ別に分かれていて出雲大社 → 出雲国風土記 → 青銅器といったテーマで見学順序もこの通り。展示品の数が膨大なため順序立ててくれるのは良いかと。

「雲太」で見た模型とほぼ同様の模型や時代ごとの出雲大社境内の模型、古代の本殿というか神殿というかそれの造り方など、なかなか面白い内容。歴史の教科書で見たことある数々の展示物を実際に目にすることが出来るのは感慨深いものがある。

ただ『出雲国風土記』テーマの生業や住まいなどを再現した模型は、無料で見学できる地元の博物館と大して変わらなかったでござるorz

時間は待ってくれないので古代出雲歴史博物館を後にしようとしたら、“展望テラス”という文字が飛び込んできたので行ってみることに。金払ったんだからそれなりに良い景色が見れるんだろ、とこの時は期待がなかったといえば嘘になる。

………

………………

………………………

これが………“展望テラス”………だと?

はい、撤収撤収。お疲れ様でしたー。

あまりにもしょぼすぎて撮り忘れたよ(笑)!

時計を見たら11時を少し過ぎていた。駐車場へ戻る道の途中にある(たぶん)有名なぜんざいの店に空いてたら行ってみるか、と思ったら………オレの予想はぜんざい並みに甘かった。長蛇の列とか(笑)日本人て並ぶのホント好きだなあ、と思わせてくれる光景でした。ということで時間的に却下。

左に日本海が見え続け、混んでいない海岸線を快適な速さで車を走らせる。この道路からの景色は迫力があり素晴らしいのでオススメ。

次の目的地は出雲日御碕燈台………と思いきや日御碕神社という看板が見えたので急遽そっちに向かう。とはいえ方向は同じだから大したタイムロスにはならないんだけど。

うん、ここも空いてるなあ。それなりに広い駐車場に車を止めて参拝する。

日御碕神社の祭神はアマテラススサノオ。目が覚めるような朱色の楼門を潜ると思っていた以上に境内の広さに驚く。

三代将軍徳川家光の時代に建てられた建物のようで、また伊勢神宮が昼を守る神宮なら日御碕神社は夜を護る神宮だそう。ただ塗装がハッキリしているせいかそれほど古いようには見えず、威厳もあまり感じられなかった。

境内を見下ろせるような場所もあり縦にも横にも広いちょっと変わった神社。

先程から潮の香りがするので海へ出てみるか、と歩いて向かうことに。この辺りは漁村なのだろうか、なんとなく雰囲気が良い。そして干してあるイカ焼きイカをよく目にした。イカはこのあたりの名物?おばさんに「イカが美味しいよ」と言われたので「帰りに寄らせてください」とけっこう本気で返事した(笑)それほど美味しそうに見えたもので。

港に出ると妙な島を発見。よく目を凝らすと………ウミネコだらけ!経島(ふみしま)というこの島はウミネコの繁殖地らしく、5月は産卵の時期のようで。

地図を見たら出雲日御碕燈台へは歩いていけそうな距離なのか判断しかねていたら、看板発見。えーと、なになに。ここから600m(オレの記憶が確かなら)ということが書かれていたので、余裕じゃん。ということでブラブラのんびり歩くことに。

静かだった遊歩道を進むとお土産や食事処など、店で賑わいを見せ始めてきた。目的地が近くなってきたという証拠か。

と、突然道が開けて目の前に出雲日御碕燈台が出現!

「でかっ!!!」

はい。第一声がこれでした。

この出雲日御碕燈台は実は凄いらしく、日本一の灯塔の高さを誇る石造灯台で日本を代表する灯台として世界灯台100選にも選ばれていて、高い歴史的文化財的価値のためAランクの保存灯台、さらには最大の第1等レンズを使用している。あー、疲れた。

灯台が建っている崖の近辺へもいけるようだけど、まずは灯台でしょ!てことで200円払って上る。

………せ…狭い!

大人1人の幅で限界という非常に狭い螺旋階段が遥か上まで続く。下りてくる人も当然いるわけで、「下りてくる人優先」みたいな注意書きがあった。

………ばあさん、そんなに急いだところで大して時間は変わらないよ。頼むから下りてくる人を譲ってやれよ。とまあ中にはそういうおば様もいたりする。今日も日本は平和だな…。

螺旋階段が終わると頂上へ出るための最後の難関。馬鹿みたいな急斜面の狭い階段…というより梯子だろこれ(笑)

そしてやっと外へ出ると………見晴らし良すぎ!下を見ると人がゴミのよ(ry

米粒のような人が見えるところに灯台の巨大な影がくっきり。こうしてみるとどれだけ高いところまで上ってきたのか、また灯台の大きさも実感できる。ついでに風がビュウビュウ吹くので帽子がない人はセットした髪が崩壊したりする(笑)

そしてこれが第1等レンズらしい。こんな間近で灯台のレンズを見るのは初めてだから何が凄いのか分りません(笑)!

で、ここまで上ってきたということはあの米粒に見えるところまで下りなきゃいけないということで………あの狭い階段をまたorz

地上に出た時の開放感といったらもう。それはそれは素晴らしいことで。あんな狭くて長い階段は当分ご遠慮したい(笑)

で、早速崖のところへ………なにここ。柵がないんですけど(汗)サスペンスドラマに出てきそうなんですけど。死のうと思えばいつでも死ねるんですけど。しかも足場はゴツゴツした岩場で結構危険なんですけど。ということで命の保障のないスリルを味わうことが出来る。

先程の賑わいを見せた通りへ戻る。時間も時間なのでここで昼食をとることにする。とはいえ、どの店も同じようなメニュー、同じような値段。………この光景、ラオスで見た気がする(笑)

そのため焼きイカでもありだなあ、と思っていたところに店頭で客寄せしてたご主人の熱意に負けて真野商店へ。ヒラマサの海鮮丼をめちゃくちゃ押してたのでそれを注文。なにやら雑誌や新聞に載るくらいの店だったらしい。真野商店独自のタレを少しずつかけて食べてくださいとのことだった………美味しい。タレも美味しくサッパリしたヒラマサに合っている。お吸い物には旬ではないけどシラウオ。これで宍道湖七珍の一つを制覇したことにしてしまおう!………ここ宍道湖じゃないけど。

そんな経緯のため焼きイカが却下になった瞬間であった。そんな食えないし(笑)

さて、この日ラストの観光は昨日、夕日を見た松江。既に正午過ぎてるけど何とかなるだろ。と思い休日限定の無料駐車場があり、レンタルサイクルも出来る松江しんじ湖温泉駅を目指す(あまりこういう情報は書きたくないけどオレ自身が忘れてしまいそうなのでメモも兼ねていたりするw)。

大した渋滞にはまらず2時間ほどかけて到着。こじんまりとした松江しんじ湖温泉駅だけど改装でもしたんだろうか随分綺麗。駅員に従い駐車場へ車を止め、自転車を借りる。

ぶっちゃけ松江城より数年前に読んだ『小泉八雲集』という“耳なし芳一”“ろくろ首”などの有名な“怪談”、他にも“影”、“骨董”などなどを収録した小説の著者・小泉八雲ことラフカディオ・ハーンのほうに興味があったので、まず最初に妻・セツと過ごしたとされる小泉八雲旧居へ。

松江城北側の堀沿いの塩見縄手にある。塩見縄手がある通りは期待しすぎていたのか雰囲気はなんとも普通だった。人が多すぎたからそれほど雰囲気を楽しむことが出来なかったのかもしれない。早朝だったらまた話は違っていたのかも。

入館料(350円)を払って中へ。他所様の自宅へお邪魔するような錯覚を覚える。人が少なければね!居間として使用していた部屋から三方の日本庭園を眺めるのが好きだったらしい。

胡坐かいて暫し休憩。………これ人がいなかったら絶対に寝っ転がってるわ(笑)やっぱり和室は素晴らしい。こういった日本家屋を好んだ小泉八雲はホントに日本の風習や文化を愛していたんだろうな。国籍も日本にするくらいだし。

書斎には八雲が愛用したとされる机のレプリカ。実際に椅子に座ることが出来る。観光客に取り囲まれるけど。そして机の上にはセツが女中を呼ぶ時に使用したというほら貝。そんなに広い屋敷というほどではなかったけど、それでも必要なものだったのか?と疑問は持つ。

お次は小泉八雲記念館共通入場券(920円)はここで使えるのであって、先程の小泉八雲旧居では使えないので注意。オレの目の前でおば様軍団が戸惑ってた。共通入場券松江城・小泉八雲記念館・武家屋敷で使える。まあ、オレは買ってないんだけど(笑)

小泉八雲記念館(300円)は自筆原稿や遺品、著書など他にも数多くの関係資料が展示されている。

正直、こんなの展示してどうすんの?と思ってしまうような遺品も。有名人が使ったものならどこにでもありそうなペンでも貴重な品になってしまうんだろう。なんだか釈然としない自分がいた。

今回の旅行の時に読んでいた本は『放浪記(著:林芙美子)』だったけど共通することは、昔の人は仕事を転々としながら住居も転々とする根無し草で、なぜか学校の先生を経験している。これは一体…。根無し草と学校の先生という職業は当時の流行だったのか?………ないわ(笑)

小泉八雲記念館を後にして小休憩を挟むことに。

それにしても自転車にして正解だ。時間と距離のことを考えると歩きだったらキツかったかも。

都合のいいことに道を挟んだ目の前に塩見茶屋という店で松江名物のぼてぼて茶(450円)を食べる(飲む?)ことに。泡立ててあるお茶7種の具材(十穀米、黒豆、沢庵、高菜、野焼き、椎茸、高野豆腐)を投入してかき混ぜながら食べるらしい。具材をお茶漬けのようにして食べる感覚。箸じゃないので非常に食べ辛い(笑)けど悪くない変わった名物だった。

ここは松江城の堀川を走る遊覧船が眺められるというのも良かった。結構のんびり出来るし。

さて松江の観光名所といったら松江城!とパッと思いつく人が多いのではないだろうか。まあ、有名だし、せっかくここまで来たんだから行っとかないと。

堀川を渡る橋でおじさんが観光マップを配っていたので貰い、自転車で松江城内を散策できるのかどうか訊くと、「大丈夫だよ」とのお返事がきた。自転車で場内走るとか滅多に無い経験だなとお礼をいって、まずは松江城山稲荷神社を目指す。

この松江城山稲荷神社には小泉八雲が気にかけていた石狐があるそうなので、オレは何かしらの謂れがあるんだろうと勝手に判断していたので少なからず期待があったのは事実だ。

………って、いきなり上り坂かよ(笑)

するとすぐにそれと分かる鳥居を発見。真っ赤な鳥居を潜ると随分と古そうな大きな狐の石像が迎えてくれる。少し変わったL字の参道を進んでいくと石段と神門が見えてくる。

本殿裏にある稲荷社には無数の狐が!ちょと多すぎ(笑)これはこれで圧巻だな。

ぐるっと回ると、ついに現れたのは八雲が愛したという2体の石狐

………あれ?これといってご利益があるわけでもなく、単に八雲が気に入ったというだけだったorz

期待させやがって――――!!!

ていうかあれだな。小泉八雲はもはや神格化されてるな。しかも松江の地で一生を過ごしたわけでも無いのに、ここまで優遇される人って一体…。

さて、自転車に戻り先へ進むと右手に神社が見えてきた。不思議と誰も彼もがスルーしていくので興味が出てきた。

石段を上ると広大な…境内?目に付く限り社務所拝殿くらいしかない。なんだか余計なものは取り払ってやったぜ!みたいな感じで、ここまで何も無く、人もいないと清々しいな(笑)日が射しているからだろうか、寂しい印象は感じられなかった。

どうやらここ、護国神社出雲隠岐出身の戦没軍人を祀る神社らしい。

んじゃ、そろそろ松江城天守閣にでも行きますか!という途中で堀川が見下ろせる場所発見。ここにベンチでもあったら確実に座ってたな。

催し物でもあるのだろうか、太鼓の音が鳴り響く中、天守閣を目指す。そして凄い人。これはあまりのんびり出来そうも無いなあと思いながら足を進める。

千鳥城とも言われる松江城天守閣は国内で現存する12天守閣のうちの一つで重要文化財でもある。それと“日本さくら名所100選”に選ばれるほどの桜の名所でもある。確かに桜が咲き誇る中にそびえ立つ天守閣という構図は目を見張りそうだ。

他にも見るものがあるということで後から次々と人が来る(汗)殆どの人は天守閣しか見てないようだけど。

余談だが石垣を完成させるため、盆踊りによって選ばれた少女が人柱にされる伝説とかあったのね。松江城周辺の怪異の話しはよくネットで見るからホントにあったことなら少女が不憫すぎる。

………え?天守閣からの眺めはどうしたって?

期待するほどの景色は望めそうもなかったからスルーした(笑)

明治天皇の行幸を願って建てられた興雲閣松江神社など他にも見所は多いし、それに次の目的地へ行きたかったし。


<左:松江神社 右:興雲閣>

ということで松江城を後にして目指すはこの日、最後の観光名所となる月照寺。ぶっちゃけこの寺は大亀の怪異くらいしか知らないので、直ぐ終わるだろうくらいの気持ちだった。

ていうかたまたまだろうけど、自転車で移動している観光客を一人も見かけなかったのはオレの目が悪いからなんだよな?な!?

思っていた以上に広い駐車場を横目に見つつ入口へ。500円払って境内の案内図を貰う。手作り感が若干感じられるも見所が載っていて親切な案内図だった。

月照寺はもともと洞雲寺(とううんじ)という禅寺であり、荒廃していたが松江藩初代藩主松平直政は母の月照院の霊牌安置所として1664年(寛文4年)にこの寺を再興。また初代直政9代斉斎までの墓所もある。さらにアジサイが数多く植えられているため“アジサイ寺”としても有名。

一応順路というものがあるようなので、どれから見ていいのか分からないオレとしては大変助かった。しかも松江城近辺の喧騒はどこへやら、数えるくらいの参拝者しかいなく、緑に囲まれていてどこか違う世界に足を踏み入れたような感覚。

やべー、ここいいわ。というわけで松江城近辺で一番のお気に入りになりましたとさ(笑)いや、ホントにとにかく落ち着く。

さすがに直政の墓が一番大きく、また他と比べてもちょっと豪勢な造り。

不昧の墓所からは松江城(右画像真ん中)が小さくではあるけど望むことが出来る。ちなみにこの情報は案内図から。案内図なかったら絶対気付かなかったよ…。

ぶどうの透かし彫りやヒョウタンの彫刻など、個性的な墓所を見ていると飽きることはない。また整然と並べられた灯籠が何とも言えない情緒を演出してれてる。

綱隆の墓所に着いたとき、ちょうど木々の間から陽光が射し始めた光景は非常に神秘的だった。

いよいよ大亀伝説の残る寿蔵碑ですよ。ワクワクが止まらん(笑)宗衍の墓所に到着。左へ視線を向けると現れたのが寿蔵碑

さて、この寿蔵碑の土台となっている大亀の像。大亀が夜になると城下で暴れ人を食らうようになった。そのため甲羅の上に石碑を置き身動きができないようにしたとか。また一説によると大暴れする亀を何とかしようとした結果、刀で首を切り落としたとか。…たしかによく見ると首のところに傷がある。

そんな恐ろしい亀の石像だけど、いまでは頭をなでると長生きするといわれている。

人間を襲っていたはずの亀なのに、どうして“なでると長生きする”といわれるようになったんだよ(笑)!

ちなみにワタクシは長生きするつもりはありませんので撫でませんでした(笑)他にも本堂や茶席が設けられている書院など見所は結構あるかと。そんな書院でちょっと気になった障子。最初見たとき破れてるのかと焦ったわ(笑)

ということで松江観光、これにて終了!………あれ?まだ時間があるので、ちょっと自転車で京橋川周辺をブラブラと。この辺り一帯は町並みがいいらしいけど…うーん、オレには微妙でした。夜になれば雰囲気が出ていいかもしれないけど。

時間が中途半端すぎるのか、人もまばらで賑わいがあまりなかった。

その後、松江駅へ行ってみる………まあ、特に何もしないんだけど(笑)本日の夕飯はどうするかと悩みながら一人でも入れそうで、且つできることなら宍道湖七珍をひとつでも多く味わいたいと考えながら自転車でフラフラと店を物色。はたから見たら怪しい人間だったのかもしれない(笑)

松江城で手に入れたパンフレットに載っていた宍道湖しじみ館というところへ行ってみることに。たしか和菓子も有名なんだよなあ、ということを思い出し1種類の和菓子が幾つも入っているのを買っても一人ではキツすぎる!………あるじゃん。一人でも楽しめるのが。ということで3種類の和菓子が数個詰まったのを購入。うん。これは夜にでも車内で食べるとしますか。

ボチボチ夕日の時間だ。早めに夕食を済ませて、早めに温泉に浸かって明日の観光場所へと移動しよう。

結局、宍道湖しじみ館の2階にあるこ根っこやという居酒屋。流石に時間が早すぎるのか一組の客しかいない。内心ラッキーと思いつつメニューとにらめっこ。店員に何がいいのか相談しつつ、ごはんセット島根和牛の刺身のどぐろの煮付け、ついでにビール………飲めねえorzと目の前にあるのはノンアルコールビールの広告。仕方ない、これで我慢するか。以上を注文。

この時期が旬だからではないのか、あまり美味しいとまでいかなかった。島根和牛の刺身は中が凍った状態だし、のどぐろは微妙に泥臭いというかorzごはんセットのよく分からない海苔シジミ汁は美味しかったけど。まあ、チェーン店ぽいから大して期待はしなかったけど、島根和牛の刺身が凍った状態で出されたのは勘弁してほしかった。こ根っこやェ…。

自転車を返却して車に戻った時間は18時。もしかして出雲日御碕燈台周辺からの夕日が見れるんじゃね?と思いナビをセット。

到着時間19時15分

はい終了。間に合いません。

予定通り日帰り温泉でも探すか。時間と場所を考慮した結果、出雲駅前温泉らんぷの湯に決定。昨日も見ることができた夕陽を出雲へ向かっているこの日も見ることができたのはラッキーとしかいいようがない。

目的地に着いたのはいいんだけど…なんだこれ。入り口にすごい人orz受付のおねーさんに訊くと少し待つ事になるといわれた!?シャワーの順番待ちってレベルをはるかに超えているらしい。

「あのー、こんなこと訊くのはどうかと思うんですけど、この辺に日帰り温泉て他にありませんか?」とバカなことを訊いてしまうワタクシ。

ゆらりという施設があるにはありますけど、ここからけっこう離れてますしどこもこの時間は混んでいると思いますよ」と御丁寧にも答えてくれるお姉さん。

紹介された温泉は、ここから移動するには遠い、ということはガイドブックでチェック済みだったので諦めてここで待つことに。

………5分後。

「空いてきましたので、どーぞー」

という声。って5分かよ(笑)全然待ってないよ!まさかこんなに早く入れるとは想像もしてなかったわ(笑)

シャワー待ちもなかったし、のんびりと温泉に浸かることができた。

んじゃとっとと移動して休むとするか!と気合を入れて石見銀山へ。途中見かけた道の駅には店も閉まっているというのに車が随分止まっていた。やっぱり車中泊は人気があるんだな、というような光景を目にした。オレもその一人なんだが(笑)

山陰地方は高速道路っていうものを、まあ見かけないこと見かけないこと。走っていると滅茶苦茶道路が空いているので建設する必要がないかもしれない、という事を実感できたりする………いいのかこれで?まだ20時なんだぜ?

21時半頃、本日の車中泊予定地である石見銀山公園に到着………とうちゃ…く?

あれ?車が1台も止まってない。しかも外灯が殆どないから真っ暗だよ!ていうかそもそも柵で入れない!?ど、どういうこと?一体何がどうなってるんです??

ここに車中泊する予定だったから軽くテンパる(笑)

ダメだここ!!使えねえええええええええええええ!!!!!

という結論に切り替えて、別の候補地へ。世界遺産センターは翌日の観光する時に不便そうなので却下。で、大森代官所跡近くの駐車場で車中泊らしき車があったのを思い出し、そちらへ移動。

予想通り車中泊組らしき車が5台くらい止まっていたのでここに決める。銀山公園に止めれなかったことに違和感を覚えつつ。おかしい。ネットでは大丈夫との情報だったんだけど…事情が変わったのかな。

落ち着ける場所を見つけることができたので、早速、松江で買った和菓子に手を出す。

若草が少し食べにくかっただけで、味はどれも美味しかった。なかでも柚子の餅菓子はさっぱりしていて甘すぎないので食べやすい。とはいえ1度に全部これを食べるのはオレには無理があるので、この旅行中にチマチマ食べることにしました。

満足したので0時頃就寝………ZZZzzz

ということでだいぶ長い内容になってしまったけど、これにて二日目終了。いや、ホント纏めるのが下手ですみませんm(_ _)m

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四日目 五日目 六日目

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