山陰山陽
2010年 5月

一日目 二日目 三日目
四日目 五日目 六日目

7時前に起床。

雨が降りそうな気配は無いが、晴れたり雲が出たり。山の天気は変わりやすいからなあ…。石見銀山では歩きそうだから、むしろ曇ってくれたほうがいいかも。

なんてことを考えながら、大森代官所跡から約3キロ先の龍源寺間歩へと向けて人気の無い道をプラプラ歩く。

左に見えた観世音寺へ寄ってみる。大森代官所が銀山隆盛を祈願するための祈願寺らしい。ここから石見銀山の町並みが一望できたりする。また、境内は荒廃しているように見えるんだけど………これ管理してるのかな。

進んでいると朝日屋という店でよもぎのみたらし焼き団子が気になったので食べながら進むことに。まだ7時だけど。朝早いからだろう、まだ閉まっていた店が多い中、開いていた店があるのはラッキーだった。

まだまだ道のりは長いということでガンガン進む。せっかくなので銀山遊歩道から龍源寺間歩を目指すとする。ここまで見かけた観光客はゼロとか(笑)そんなに早い時間帯?銀山遊歩道は随分と緑が多い。その分、虫の出現率も高くなったわけなので、空気は新鮮だが虫がいるという、あまり虫が好きでないオレにとっては諸刃の道だったorz

進んでいくと銀山遊歩道から少し外れたところに清水谷精錬所跡という表示を見つけた。目をやると上り坂で先が見えないorz上り坂って僅かな距離でも結構あるように感じるんだよなあ…と思いつつ足を向ける。

そろそろ見えて〜〜〜〜!

と心の中で叫んでいたところに右手に緑の壁でもあるように出現。

清水谷精錬所跡とは明治19年(1886年)に藤田組仙山(せんのやま)福石鉱床に目をつけるものの、鉱石の品質が悪く、設備の銀の製錬能力もないため不採算となり、明治29年(1896年)で操業停止となった施設跡。

銀山遊歩道と平行に伸びる道にはチラホラと観光客の姿が見え始めてたけど、清水谷精錬所跡に関しては皆無(笑)まあ、石見銀山といったら手軽に見学できる龍源寺間歩!というイメージが強いからなあ…。なんにしても人がいないからのんびり出来たわ。

銀山遊歩道へ戻るとオレの寺センサーが反応した!…まあ道なりに歩いてれば直ぐ見つかるんだけど。

き…きよ……清水寺………“きよみずでら”ではなく“せいすいじ”

この寺は銀山開発と関係が深く、石見銀山はとある豪商によって発見された。沖から陸に輝く霊光が見えたため船を着け、清水寺に参拝し、帰り道で輝く銀鉱石を拾ったのが発見の端緒だったらしい。

清水寺は随分とこじんまりして、寺という印象があまり感じられなかった。もしかしたら奥に行けたのかも知れないけど。

さらに歩き続けて漸く到着。現在8時。数人の観光客もご到着。先程からよく吠えている犬を連れてきてる人がいるけど………まさか龍源寺間歩の中にも連れて行くのか…?つーか、何でオレには吠えないんだ。舐められてるのか、この犬っころに!

て、それよりもチケットを………………おい。

9時から………だと?

マジかよ。何もないこの環境で1時間もどうしろと…。自然を楽しむには、ちょーっと時間がありすぎなんだぜ?

で、8時半頃、背後でなんか音がする。振り向くと間歩から人が出てきたんですけど!コーヒー吹いた(笑)

えー、そもそも龍源寺間歩“間歩”とは“坑道”のこと。石見銀山の中でも大久保間歩に継ぐ大坑道で、龍源寺間歩は600mほどあるが、見学できるのは160mほど。ちなみに一方通行のため後戻りは出来ない。

間歩から出てきたおじさんたちが龍源寺間歩の受付の人で、GWだからか時間を少し早めてくれたようだ。入場料(400円)を払って坑道内部へ。………てさっきの犬も入るのかよ!ありなのかこれ?

坑道内部はというと狭いものの涼しく、そして意外と明るい。観光用とはいえ、もっと暗いのかと思った。上や横を見るとノミで削った跡があり、当時のまま保存されているらしい。ホントにこんな穴に人が入れたの?てくらい小さく細い穴も。

出口へと続く分岐路には坑道の造り方。当時、僅かな灯りの中での作業はどれほどの危険と隣り合わせだったか。大変な犠牲もあっただろう。

外へ出ると、生ぬるく感じる空気とはいえ開放感はある。外の有り難味を知った(笑)

もと来た道へ戻る途中、右手に何やら立派な石段の神社がある。

佐毘売山神社(さひめやま)といって祭神は金山彦神(かなやまひこのかみ)イザナミカグツチを産んだ時に嘔吐物から化生した神………こんな神様、初めて知った。神話ってすげーなー、何でも神にしてしまう超展開には恐れ入る(笑)ちなみに金山彦神は鉱山の神らしい。

結構な長さの石段を上ると大きな社殿のお迎え。そして境内も結構広い。石段を上ってくるのが面倒なのか、境内にはそれほど人はいない…といっても9時半なので観光客が活動し始めるのはこれからか。

帰りは銀山遊歩道と平行に伸びている道を利用。時折り良い風景に出会えてじっくり眺められるのも歩く利点の一つか。そして予想通りといいますか、多くの人とすれ違う。向かう先は龍源寺間歩なんだろうけど…早めに行動しておいてよかった(汗)

のんびりした田舎風景を歩いていると、左になんともレトロ(失礼)な小学校を発見。何教室あるんだろう?校庭や校舎の規模を考えると生徒も少ないだろうな。夕方にきたらノスタルジックな切ない気持ちになりそう。ちなみにこの小学校は現役です。

昨晩、駐車できなかった銀山公園方面へ。そこの羅漢寺・五百羅漢へ足を延ばしてみる。

五百羅漢は銀山で亡くなった労働者の供養、安全のために発願され、小川を挟んだ向かいにある羅漢寺はこの五百羅漢を護るために建立された。

五百羅漢は岩山に三つの石窟が掘られ、小川にはそれぞれの石窟に入る石橋が架けられている。石橋の湾曲した形がなんともいえませんなあ。

また中央の石窟にある釈迦三尊を境に、左の石窟には阿難尊者を中心に250体、右の石窟に木蓮尊者を中心に250体もの羅漢座像が安置されている。しかも一体一体の表情が違ったりしているので、もしかしたら京都三十三間堂のように会いたい人とそっくりの顔があるかも?………て、そもそも建立した目的が違うからないか。

ちなみにここは撮影禁止ばっかりで萎えたorzなんか撮るために旅行しているような書き方になってしまうけど………これがオレスタイルだから仕方ない!何かしらの形に残す、それがオレのモットーです(笑)

日中の銀山公園は如何なものか、と思って覗いてみると………おい…ガラガラ、ていうより1台も車が止まってないんだが。しかも車が来たら追い返してるし。世界遺産センターを満車にさせないと解放しないのか?一応、GWだし随分車も目に付くんだが………。そんなよくわからない銀山公園にはポツンと銀山周辺の模型がある。

そして旧大森裁判所跡である町並み交流センターへ。

ここは明治時代の法廷が再現されていたり、銀山やその町並みの暮らし、歴史がわかる映像、様々な展示品が数多くある。で、全然関係ないとは思うけど、多目的ホールへの戸……て戸の中に戸!?面白いなこれ。どんな役割があるのか知らないけど。

歩いているとふっと人が途絶える瞬間がある。こいうタイミングは自分が異世界にでも迷い込んでしまったんではないかと、中二病みたいな発想になったりする(笑)

あー、オレそういえば団子しか食ってないorzということで中村製パン店というパン屋で腹ごしらえ。それなりに有名店だからだろう、人だかりが出来てる。まあ何十人もいるって訳じゃないので許容範囲だろ!

甘辛い磯辺焼きが入った丁銀パンスイートポテトお代官いもを購入。出来立てでホカホカして美味しい。………でもワタシ磯辺焼きはどうかと思うの。

直ぐ近くには床屋が。この回転イスは大正時代のものだそうで。レトロな雰囲気満点ですなあ。

そろそろ駐車場の近くだな。でもまだ戻らないで、左に折れる。僅かな傾斜の先に見えてきたのは勝源寺という寺。

江戸幕府2代奉行の竹村丹後守(たけむらたんごのかみ)大檀那となって造ったといわれる寺院。竹村丹後守の他、5人の代官の墓所がある。

様々な彫刻が施してある立派な四脚門である山門が迎え入れてくれて、ちょっと期待してしまう………えーと、400円。

おっし、Uターンだぜ?

これまでとこれからのことを考えると、ちょっとお金が財布から飛んで行き過ぎのような気がしたもので(汗)

さて石見銀山もそろそろクライマックスになってまいりました。

お次は城上神社へ。ここは不思議とぱったりと人がいなくなる。先程まで多くの観光客による喧騒が嘘のようだ。

城上神社の祭神は大物主命(大国主命)で、石見銀山の安全と繁栄を願う大森の氏神様とのこと。

そしてこの神社の注連縄もまた大きく太い。拝殿へと入り、天井を見ると見事な色彩の“鳴き龍”がこちらを見下ろしている。

人もいないし、それでは早速。ということで真下へ行き手を叩くと綺麗な音色が反響する。

一方、境内には樹齢が約300年の相生の松といわれる、黒松・赤松が一体となった松がある。が、残念ながら赤松が突然枯れ始めたため、黒松へ影響が及ぼされないために伐採。

それにしてもやばいなーここ。落ち着く。今日はここで1日のんびり過ごすのもありなんじゃ………すみません次に行きます。

ラストは当初、入るつもりはなかったけど、せっかくここまできたし、締めとしてもいいだろ!ということで石見銀山資料館(大森代官所跡)(500円)へ。

ここではその名の通り石見銀山に関する全てといっても過言ではない多くの資料や文献などが展示されている。石見銀山の歴史や採鉱と製錬の技術、その道具などとにかく量が多くて見応え十分な内容………もちろん興味がある人にとってはの話しだけど。ワタクシですか?半分くらいしか興味なかったんで30分もいたかどうか(笑)

時間は11時。思ったより時間かかったな。

次は温泉で有名な温泉津温泉へ。この温泉街は石見銀山から車で1時間とかからない距離。相変わらず不思議なくらい空いている道を快適に走らせる。それにしても距離感がおかしくなってきたのか車で1時間もかからないと近く感じてしまう自分が怖いorz

いい感じにひなびた温泉津駅を横目に車を進め、温泉津温泉観光案内所で現在位置の確認と日帰り入浴の情報収集。ある程度目星をつけて、フラフラと歩いてくことに。

うーん、こういう温泉街ってやっぱり日中より夕方から夜のほうが情緒溢れる雰囲気が漂っているんだろうなあ。それと宿泊施設をよく目にしたけど、気のせいか客があまりいないように見えたんだが………宿泊客ってあまりいないのかな?観光抜きにしてホントにのんびり過ごすなら絶好の場所だと思う。

おっし!最初に目に付いた温泉に入るか!というわけ分らん決意をして、オレの足は前へ進む。そして右手に見えたのが薬師湯(350円)という日帰り入浴施設。こういう共同浴場は安くて助かるわあ。

つーことで、入る………

おばさん「ちょwwwお兄さん、そっち女湯だよwww」

オレ「えっ」

おばさん「えっ」

つーことで女湯へ入ろうとしてしまった(汗)いや、ホントわざとでもなんでもないんです、信じてくぁwせdrftgyふじこ

たまに起こるボーとしながらの行動はなんとかしないとなあorzこの時のオレの顔は、恥ずかしさからさぞかし赤かっただろう。穴があったらなんとやらです、はい。

ここ薬師湯は建物に入るドアで既に男湯と女湯の出入り口が分かれている。で、中に入り入浴料を払うと、おばさんから「屋上があるから、入浴が済んだら涼んでね」といわれた。屋上があるのか。ちょっと面白そうだな。

昼時ということもあって入浴時間にはまだ早すぎだからガラガラだろ、と思っていたら意外にも5〜6人いた。

軽く洗ってお湯に浸かる。少し熱い程度で良い湯加減。けっこうのんびりと温泉を楽しむことが出来た。

受付のおばさんに言われた通り、屋上へ行く。階段の途中に書き込みノートがあったので、足跡を残す!せっかく来たんだし、記念カキコということで(笑)2010年5月3日のところに「これから山口県へ突入だぜえええええ!!!」みたいな事を書いたのはオレです(笑)

2階では食事を楽しむことができ、3階が屋上となっている。

うひょ―――!!!風が気持ち良い――――――!!!!!

でも日陰ねえ――――――!!!!!

て感じで風は心地いいけど日陰がないんでちょっと暑いです。でも一息つけることが出来るのでオススメ。

………景色?聞かないで!

その後、軽く散策をして車へと戻る途中にある店(名前忘れた)で昼食を取る。外観も店内もレトロな雰囲気を醸し出してみました、て感じの店。

ランチ定食を注文して、料理を待っているときにハタと気付く。

そういえばここから津和野までってどのくらいだっけ?1時間ちょっとだっけ?

気になったので調べてみた。

3時間 m9(^Д^)プギャー

えっ………と………………ん?………さんじかん?

しばらく時間が止まった。

ま…まじか………マジかよ!!!3時間!?えーと、今12時過ぎだから13時頃出発するとして、到着時間16時orz

着いてなにができるんだ…。観光施設1〜2箇所で終わりじゃね?

………あー、でもあれだ。それほど見たいものは何箇所も無かった気がする。などとちょっとテンパっているところに料理が来た。

もろに健康に良さそうなメニュー。野菜不足は自覚してたし、美味しかったので問題ないけど…これで1000円弱てorz観光地になると、飯に関してはやっぱりお高いなあ。

で、のんびりしてられないので、席を立ち会計を済ませようとすると「まだデザートがあるんですぅ」と店員がデザートコーヒーを持ってきた。1度席を立ってまた戻ってくるオレって………。つーか、デザートがあるならあるで先に言ってくれよ。ホントに恥ずかしかったんだぜ?美味しかったけど。

予定では石見畳ヶ浦に寄ろうと思ってたけど、時間の都合で却下。ナビをセットすると15時間半とのお答え。大して変わらんけど。

短い滞在だった温泉津温泉だったけど、寂れた感が個人的に良かった。機会があればまた訪れたい。

案の定、渋滞のない道をスイスイ進んでいると、ナビに載ってない津和野方面への道を発見!これは近道なんじゃ?とナビを無視して津和野と書かれた標識に従い進む。

結果…大して時間は変わりませんでした〜〜〜><

津和野駅が近くなると人が多くなってくる。ていうか車が進まないんですけど(汗)そして暑い。夏のような暑さだからまいるorz時間が多少かかりながらも目的地の太皷谷稲成神社に到着。

太皷谷稲成神社日本五大稲荷の一つで、全国の稲荷神社の中でも、「稲が成る」と表記するのは珍しい、ちょっと変わった稲荷神社

ていうのを今知った(笑)ちなみに日本五大稲荷

・ 伏見稲荷大社(京都府)
・ 笠間稲荷神社(茨城県)
・ 竹駒神社(宮城県)
・ 祐徳稲荷神社(佐賀県)
・ 太皷谷稲成神社(島根県)

車から出たら涼しいことこの上ない!て思ったら風が大して吹いてなかった。

全体的に朱一色ですなあ。おもしろいのは境内の真ん中から駐車場へと下りる階段があること。なにこれ(笑)下りたところには車お祓いのお社があるらしい。結局、下りなかったんで未確認。

こちらの本殿元宮注連縄が太い。今回の旅行でどうにも最初に目を向ける所が注連縄になってしまった(笑)

車で太皷谷稲成神社まで上ってる時点で参拝順序が違う気もするが、取り敢えず神門へ。その神門付近から津和野の町が一望できる。高いところまで上がってきたということだけあって、見晴らしがいい。ただ、津和野で最初に訪れたのが太皷谷稲成神社なもので、どこに何があるのかさっぱり分らなかったけど(笑)

神門から参道へ入り、下まで行ってみようと足を進める。

えっ、なにこれ。

鳥居の参道を上から眺めることが出来るんだけど、その鳥居の上にはプラスチックの板が乗ってるとかなんなの?少しでも鳥居が痛まないようにとか崩れたりしないようにしてるんだろうけど………こんな雰囲気ぶち壊しの光景は見たくなかったorz

そして下りる途中でハタと気がつく。

結構距離がある………余裕こいてるほど時間は有り余ってないんだぜ?………参道から下りて観光した後、またこの参道を上って車のところに戻らなきゃならないんだぜ?………その頃にはとっぷりと日が暮れて暗闇の中、上る可能性もあるんだぜ?

………

………………

………………………

止めよう。

津和野を一望した時に駐車場が見えたし、太皷谷稲成神社に来る途中にも無料駐車場は幾つか確認済みだから車で下まで行くことに。

下りてきて直ぐのところに無料駐車場があったので、そこに駐車。ついでに暑いので車の窓は僅かに開けておく事に………これが後で悲劇の原因になるとも知らずに。

津和野駅から少し遠いけど、歩いて散策開始。

川沿いに津和野駅方面へ向かっていると、妙な人だかりでカメラを橋へ向けてる…何かあるのか?と思い、立ち止まっていると、「SLがうんたらかんたら」なんてのが聞こえた。

<ここをSLが通る>

ああぁ、そういえば津和野SLが有名なんだっけ。で、ここを通るわけか。鉄オタじゃないしSLに興味ないけど、動いているSLなんて滅多にお目にかかれないからワクワクしてしまう。

タイミングが良かったようで、長い時間待つことなく汽笛音が聞こえてきた!周囲のどよめきと共に近づいてくる。

結構な迫力だな。目の前で走っている姿と周囲の風景がマッチして良い絵になる。これは興味なくてもカメラ構えるわ。

川を渡ると鷺舞の像が。太皷谷稲成神社へ向かう途中に弥栄神社があるので寄ってみる。

この神社は祭神がスサノオ、そして境内には大きなケヤキが存在を主張している。また有名な重要無形民俗文化財で伝統舞踊の鷺舞は7月に弥栄神社で奉納されるようなので、興味ある人は訪れては?

先程、徒歩で下りるのを断念した太皷谷稲成神社の参道入口に到着。その前にはドーンと大きな石灯籠。

こういう鳥居の道は内側もしくは下から見るものだということを発見できた太皷谷稲成神社。先程参拝してしまったので参道を上る気はなかったので、少し足を踏み入れただけでUターン。周りの人からすればさぞかし奇怪な行動に見れたことだろう。

その隣にも神社(総霊社)………ホント多いな!開けていて足を踏み入れやすいだろうに、観光客は不思議とここを避けて…というか目に入っていないかのように太皷谷稲成神社に吸い込まれていく。

駅の方へ向かう途中に津和野カトリック教会へ。武家屋敷が立ち並ぶ殿町通りではひときわ目を引くゴシック建築。

これと関連しているが後で訪れる予定の乙女峠マリア聖堂津和野は幕府がキリシタン信徒を改宗させるための地でもあったらしい。津和野カトリック教会乙女峠マリア聖堂での悲劇を繰り返さないようにと建てられた教会。

中に入ると………畳!ゴシック建築、色とりどりのステンドグラス………そして畳。生まれてこのかた幾多の教会を見てきたけど、畳は初めてだわ。

足を進めていると、目に入ってくるのは源氏巻源氏巻源氏巻源氏巻源…なにこれ?どうやら津和野の銘菓のようなので1つ購入して後で食べることに。まだ松江の和菓子も残ってるけど(汗)

それと下を見れば掘割にはだらけ。でかすぎ、多すぎ(笑)元々は有事の非常食用に泳がせていたらしい。

某巨大掲示板で「見るものなくなって鯉を見てる観光客多すぎwww」みたいなレスが頭に浮かんだ(笑)

駅到着後、ようやく今更にして観光マップを入手。その隣には展示保存されているD51機関車SLが…あれ?2日目の旧大社駅でも見かけたな確か。

この頃にはピーク時を過ぎたのか、津和野に到着した時に大勢見かけた人たちはどこへやら、人がまばら。まあ、そっちのほうが行動しやすくて良いんだけど。

観光マップを片手に線路を渡って山へ入る、目指すは乙女峠マリア聖堂。駐車場を過ぎると少し上ることになる。直ぐ隣には沢があり、暑いなか上って疲れた身体を水の音と緑が癒してくれる。ま、もいたんですが。ついでに白い蛇が道を横切ったよ!白い蛇なんて何年ぶりに目にしたんだ…。

足を進めても先が見えないことに若干の不安がよぎる。………まさか山頂まで行くんじゃないだろうな、と。

外はまだ明るいものの時刻は既に17時。しかも山は直ぐに暗くなる…あと20分くらい歩いても見えなかったら引き返すか、なんて考えているうちに到着(笑)実際は山の中腹にあって、大した距離ではなかったりする。

先にも書いたキリシタン信徒はこの場所に集められ、津和野藩は改宗させようと拷問を行った結果、殉教を選んだ者が出たという悲惨な場所。またそんな中、聖母マリアが降臨された地とも言われている。

こじんまりとした教会のステンドグラスは悲惨な歴史が描かれ、また殉教者のパネルや聖書も展示されている。

その隣には三尺牢の前に聖母マリアが出現された場所。

山にあり自然に囲まれ町の喧騒が届かないこともあって神聖な雰囲気。乙女峠マリア聖堂よりも更に上にいけるようで、ハイキングコースにもなっているみたいだ。案内図があるけどとてもじゃないけど時間が足りなさすぎ。どんだけ山歩くんだよ!て感じみたいだし。

津和野での観光はこれにて終了。のどかな景色は荒んだ心を癒してくれる。ちなみにSLが通った橋(右画像)はこんなん。津和野いなり寿司も名物らしいので石州館新館で持ち帰りをして車に戻る。

そして気付く。車を止めている場所は陽射しを避けるため、それなりに緑があるところだ。それでも熱が車内に篭るだろうからと全ての窓を僅かに下ろしておいた。で、乙女峠マリア聖堂ではに遭遇した…に。………ま…まさかなゴクリ。

………考えないようにしよう。

現実から逃げたオレは車を走らせること数分、到着したのは道の駅津和野温泉なごみの里。駐車場広い!そして18時にして殆ど埋まってるとかなんなのorz浴場も混雑してそう………。

そんなわけで本日の日帰り入浴(600円)はここだったりする。やることやってそれからのんびりするか。早速、風呂を利用する。ああぁ、やっぱり人が多い。でもシャワーの数も多いので待つことは無かったけど。早めに行動して混雑を避けるという考えは皆一緒なのかなあ。………て、それじゃ早めの行動意味なくね(笑)?

レストランを覗いてみたけど、気になったメニューが売り切れであとはどこにでもありそうなメニューしかなかったので、ここでの夕食は止める事に。その代わりさっき買ったいなり寿司源氏巻で間を持たすことに。旅先でしかも外で食べているという環境もあるんだろうなあ、いなり寿司にこれといった変わりダネは入ってなかったけど美味しかった。源氏巻はそれほど甘くなく食べやすい。もう少し形の残った粒アンだったらもっと良かったけど。って、先に松江の和菓子を食べろよ!て話しですね、はい。

これからどうするか。当初の予定では4日目は萩 → 秋吉台の観光を考えていた。

が、天気予報では5日から雲が出てくるそうなので、角島大橋は晴天の状態で目に焼き付けたい!!!と考えていたので、日程変更。

4日目に角島大橋、5日目に曇りでも構わない秋吉台の観光。

こういった結論から、この日の車中泊場所は角島大橋近辺に決定。やべー、いよいよ角島大橋だぜえぇ!

………あれ?あの辺て夜遅くに開いているスーパーとか食事できる店てあるのか?オレの記憶が確かならグーグル先生によるとなかった気が………。津和野から角島大橋までだいぶ距離がありそうだから、結構遅い時間になるんじゃないのか?

それならと、栄えてそうなで夕飯を取ることに。ガソリン………1メーター残ってるから大丈夫だろ!出発!

さよなら島根県!!!

前後に車はなく、長閑な田園風景が現れては過ぎ去っていく。ここ快適すぎ(笑)

こんばんは山口県!!!

つーことで市内に到着。そこから東萩駅を通り過ぎて20時頃、鈴豊に到着。結構混んでたので、待つかなと思ってたら1人ということで直ぐにカウンターに案内された。

瀬つきアジが食べたかったけど、大きいアジは入っていなかったようでアジのお造りがなかったorzこれが一番食べたかったのに……。と愚痴っても仕方ないので、ご飯セットアジの刺身ノンアルコールビール(笑)を注文。

で、ごはんセットがなかなかこない!時間をかけて刺身を食べるオレって何なの?

20分くらい待った気がするorz刺身は半分くらい食べちゃったよ!とはいえ刺身は美味しかったけど、そして味噌汁が当たりだった。量も多かったので、ちょっと得した気分………我ながら単純だな(笑)

店員さんの態度は良かったんだけど、少し値段が高い気がする。

さて!それでは行きますか!角島大橋へ!!!

この先、スタンドがあっても開いてない予感…という己の第6感を信用して市内でガソリンを給油。いや、まあ、そもそも少なかったんで給油しないといけなかったんだけど。

まだ20時過ぎというのに相変わらず交通量が少ない。昼でも夜でも走り易いって、素晴らしいな山陰は。

角島大橋付近に駐車場はあるらしいけど、治安はどうなんだろうという不安があった。車が1台も止まってなかったら流石に危険そうだ。いざとなったら角島へ渡ってしまって、道の駅のような施設があるようなのでそこで車中泊かと色々考える。車中泊初心者の身としては今回は慎重にした。あそこがダメならここ、ここがダメなら次のところ。ってな具合に下調べをして保険はかけておいた。

で、2時間かけて灯りの少ない国道を走りに走らせ、ついに…つ・い・に………つ…い…に………

キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!

長かった。初めて角島大橋の画像を見たのはいつだったか。それから行きたい行きたい行きたい行きたい行きたい行きたい行きたい行きたい行きたい行きたい行きたい行きたい行きた(ry

て思っていたけど、今オレの目の前にあるのが、角・島・大・橋だ!!!昼の画像しか見たことないから夜の角島大橋は全然違う。でもネットで見たのはもっと見晴らしが良かったような………。

見つけた。

早速行ってみると駐車場はないのね。しかも奥に行こうとしたら………私有地かよ!

眺めると………うん。やっぱり人気がないというのもあるけど良い景色だなあ。

………

………………

………………………

暗闇に浮かぶ橋、聞こえてくるのは時折り通る車の音と波の音。駐車場には車中泊組みも数台いたけど、既に寝ているのだろうか、静かだ。何よりDQNがいなし車中泊の人がいるという安心感。

まだ寝るには早いかなあ、という思いと夜の角島はどんな感じだよ。

つーことで角島大橋をゆっくり渡る。

渡ってるよ、渡っちゃってるよオレ!

興奮冷めやらぬまま角島に入る………なにこれ。

街灯がねえええええええええええええ!!!

真っ暗すぎて笑った。

景色が楽しめないがこれはこれでありだな!

角島の奥にある角島灯台へ。どうせ誰もいないだろうと思ったら数台の車とすれ違った。みんな考えることは同じなのか(笑)

………おおぉ。光ってる、回ってる!夜の灯台もいいじゃないか。

幸か不幸かオレが着いた時は誰もいなかった。そして灯台を撮るのに苦労した(汗)持ってる三脚なんておもちゃみたいなもので高さが掌サイズというショボさなので、納得する位置から撮れない!

結局、車の屋根に乗せて撮影。カメラの向きとシャッター速度を何度も調整して漸く撮れた。

微妙〜wwwww

と笑いたければ笑ってくれ!所詮オレが持っている技術なんてこんなものだ(笑)とはいえ旅行記で何度も書いてるけどデジ一が欲しくなってくるな………。

そして上を見れば満天の星!すげー!星ちかっ!!!

撮ろうと思ったけど持ってる三脚じゃカメラの角度を上下に調節できない、直ぐにぶれるなどからコンデジじゃ無理でしたorz

それなりに堪能したので再び角島大橋を渡り、橋の直ぐ近くの駐車場へ行き車中泊の準備。

そろそろ寝るか。

プ〜〜〜ン

プ〜〜〜ン

??

プ〜〜〜ンプ〜〜〜ン

気のせいじゃない………オレの耳が捉えたこの音は、間違いなく羽音だ。…………だよなorz

………羽音の正体を視認した!隊長、であります!ついでにターゲットロスト!………ロスト!?

は〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜マジかよorz

どこから入っ………あ。あれか?津和野で窓開けて駐車した時か?つーかそれが一番可能性が高いな。

幸いにも海外にも持って行ってる電池式蚊取り器具を持ってきてあるので念のためセット。とはいえこれに関しては気休め程度としか考えてないので、を退治するのが一番なんだが………。

明日の予定を立てるためにガイドブックなどを見ていると、僅かに聞こえる羽音。…仕方ない。戦うか。

毛布で身体を覆いの攻撃を一点集中させる。身動きせずに耳を澄ませる………バチッ!

ぎゃ――――――!失敗したorz

再び勝負を挑む。

………バチン!!!

たぶん殺せなかっただろうなあと思って掌を見たら見事に潰れてた。これで安眠できるよ!

狭い車内にとかマジ勘弁。灯りが隅々まで届いてなく、狭い車内のため身体の自由もそれほど利かないから部屋で出るの退治より難易度が高かったorz

これから車中泊を頻繁に利用するつもりなら、対策を考えないとなあ。

とりあえず4日目の大まかな予定も立ったのでこれにて就寝………ZZZzzz。

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